本文へジャンプ

ちゃぶ台の記憶

1371

写真は、沖縄の民家でふと目に焼き付いた光景。
ちゃぶ台が、なにげなく置かれている空間ですが、
記憶として立ち上ってくるのは、幼い頃の家族関係のぬくもりです。
現代では、よほど物好きな建て主でない限り、
このような「ダイニング」を思い描く人は少ないでしょうね。
ただ、人間は記憶の中から「豊かな空間」という思いを脳裏に描いて、
それを「注文住宅」として表出させるべく設計するけれど、
そこで描かれているのは、どうも後の本来的な意味での
「その人が持っている豊かさのイメージ」とは限らないのかも知れない。
いやむしろ、既成のイメージ写真などの表現力に同調してしまって
本来の「自分自身の豊かさ」という見方が出来なくなっているかも知れない。
わたしは、自分自身の家を頼んだときに
やはりこういった丸テーブルを囲む家族イメージが強くて
座りはしなかったけれど、そういうイメージにして貰いました。
そんな「豊かな家族の記憶」のようなもの、
それを自分自身で再度作り上げるのが、家づくりであり、
そういう場を主体的に作って、人生も創造していくのが
本来的な意味での「注文住宅」というものの醍醐味なのではないか。
注文住宅というのは、そういった主体的な決断の
人生に、そうたくさんはないかもしれない機会なのだと思います。
もちろん、そうしたからと言って、
それがそのひとの「幸せ」に繋がるのかどうかはわからない。
けれど、そのときにじっくりと考えて選び取った結論は、
それを大事にして生きていくしかない。
家づくりの時に、いろいろ決めたことって、
そのあとの人生にかなり大きなウェートを占めてくる。

ぜひそういった決断の機会を
楽しみながら、家づくりを進めていって欲しいものだと思います。

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.