本文へジャンプ

平安期多賀城・従六位官人の食事

本日のブログは、タイトルまんまであります。
この写真は、宮城県の歴史施設で展示されていたもの。
人間が権力欲に駆られたり,上昇志向を持ったりする動機って、
さまざまなんでしょうが、わかりやすい理解はやはり食べ物だろうと思う。
日本列島に権力機構が形成されたごく初期から
贄、というような庶民から上層階級に対する貢納は
いわばごく自然なシステムとして機能してきた。
大王権力、のちの天皇制には、根深くこうした痕跡が見て取れる。
まぁほんとうにナマな欲望がそのまま形式化されていて、すごい。
そうした貢納システムの中で官人の役得として
このような食事が饗されていた。
多賀城という地方政府組織で、最上級権力者に供えられた食事であります。
さて、メニューです。

上段、中段、下段に分けて、
まず、上段左側から右側へ順に。
1 枝豆、栗、里芋の盛り合わせ
2 鮎の醤煮
3 汁〜イワシを浮かせた海草の汁物
続いて中段左側から右側へ順に。
4 ホヤ・米麹を使った飯鮓〜いずし〜
5 漬け物。ナス・青菜の塩漬けとウリの糠漬け
6 調味料・酢
7 調味料・塩
で、下段左側から右側へ順に。
8 メインディッシュ
  鹿肉を細く切り、醤と酢で和えたもの。薬味に野蒜。
9 白米
10 糟酒

というディナーメニューであります。
こういった官人のために調理人も雇い入れられており、
豪華な食事を食べていたらしい。
いやはや、まさに垂涎の豊かな食卓でありますね。
栄養バランスもすばらしい。
こういう食事を取りながら、蝦夷社会への侵略を計略していた(笑)。
まことに犯罪的と感じるか、必然と感じるか、
まぁ、ひとによって見方は分かれますが、こういうのが事実なのですね。
う〜〜〜む、うまそうだ。

Comments are closed.