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【東日本的農家文化「まゆ玉・餅花」インテリア】

写真はきのう書いた蕎麦屋さんの室内デコレーション。
わたし自身はこういった室内装飾の文化伝統を持たない
瀬戸内海地域出自の家系の住宅文化様式で育ってきたので
ネイティブな感受性とは距離感はあるのですが、
「養蚕」農家生活文化様式の強い、関東以北農家では
小正月期間などでこういうデコレーション文化が根強いようです。
母親の実家に冬に行くと、こういうデコレーションに出会った記憶がある。
まことに久しぶりにこういうのを見たので
新鮮に感じられ、また雰囲気的にも「いかにも」感があった。
こういったデコレーションは畳と和の欄間、柱梁空間が似合っている。
現代の住宅からは徐々に失われつつある「背景」装置群に似合うデコ。
そういえば、とふと気付いてこういうのを現代住宅空間に活かす試み、
あんまり目にしないなぁと。
たぶん、生活背景としての「養蚕農業」が存続基盤を失って
必然的に生活文化としても忘れ去られつつある、ということなのでしょうね。
しかし、わたしのような人間でも「そう悪くない」と思える。
こういうデコレーション空間からインスピレーションされるような空間美を
だれか志向しないだろうかと、期待させられた。


きのう書いた蕎麦屋の開放型石油ストーブ記事について
スタッフから「そば屋さんをディスっている(笑)」と言われてしまった。
う〜む、であります。
たしかに「ディスっている」というように受け取られるか。
しかし蕎麦それ自体にはリスペクトしているつもり。
食文化として、日本人にはきわめてかけがえのない文化資産。
それを楽しむときに、伝統的ないろりとか、
背景的に隠れているような暖房方法であれば納得はできるけれど
五感のウチでもっともセンシティブな「臭覚」的に残念。
「味覚」をもってなりわいとしている店舗には
その雰囲気を愛するが故に、感じることは書きたいと考えた次第。
では、あのような低断熱低気密がむしろ内装的には「ウリ」の店舗では
どのように「暖」を提供すべきか、ということになる。
まぁ、そのときにイマドキは暖房設備も進化しているので選択の幅は広いはず。
それもある程度、長期的に「空間演出が磨き込まれてきた店舗」であります。
たぶん、店側としては、囲炉裏という採暖形式を最上としたのだろうけれど
それが機能的にはむずかしいということになった。
で、それの単純な「機能代替」として、簡便に置き換えられる、
ということで壁際設置が一般的なFF式ではなく、安直に
このような室内中央配置型の「開放型石油ストーブ」を選択したのでしょう。
しかしできればその選択の時に、味覚と臭覚についての心配りが欲しい。
むしろ蕎麦のために強くそう考えた次第であります。
どうでしょうか、やっぱり「ディスっている」かなぁ?

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