このブログで最近取り上げている「ホテル温熱環境」論続篇です。
こういった一時滞在型の宿泊施設での「温熱体験」って、
しかしその地域の印象にけっこう大きな影響を与える。
わたしは、北海道人なので年末年始の休暇でよく「温暖地」を旅する。
北海道の冬の冷凍庫状態からなんとか脱出したいと考えるのですね。
で、沖縄をはじめ「あたたかいところ」によく行ったりしていた。
で、一度冬に博多にも行き玄界灘海岸の「リゾートホテル」に宿泊した。
その「2面採光」窓ガラス同士が直角に付き合わされる窓を持つ部屋に
宿泊して、そのあまりの「寒さ」に閉口して、
もう二度とここには冬には来たくないと心底から思わされた。
一応エアコンが装置されていて暖房運転したけれど、
ただただ窓ガラスの結露がいや増すばかりで、
室温はアタマ部分で18度程度にしか上昇せず、床面から寒さが直撃する。
家族で身を寄せ合いいっぱい毛布を掛けて寝具に潜り込んでいた。
外の方があたたかい冬の温暖地であります(泣)。
こういった体験は北海道人にはけっこう多いようで、
知人の設計者もエッセイ原稿で同様の体験を書いてくれたりしていた。
冬場の建物室内の暖かさは北海道は格別なのだということが、
身をもってこれでもかと知らされるのですね。
こういう体験で悲しいのが東北の「リゾートホテル」でも同様だと言うこと。
一度、立派な植栽の庭の中に「サウナ」のあるホテルに泊まった。
で、そのサウナを夜間利用したら、なんとサウナ室の「気密」が取れていない!
ドアも窓も隙間だらけなので、サウナ室内がようやく30度程度室温。
これではサウナとして「汗を掻く」ことができない。
むしろサウナ室内で不快な上下温度差暖房を味わうだけというシロモノ。
まぁもう冬には来るなと宣伝しているような熱環境ぶり。
中国などアジア観光客が冬場の北海道に大量に押し寄せ、
東北地域は閑散としていたのには、こういう側面もあるのではと考えてしまう。
北海道では冬の宿泊側の最低限の「おもてなし」が暖かさであることを
骨身に染みて知っているのに、東北では客に「耐え忍んでもらう」のが
どうも常識となっているように思われるのですね。
そういう期待(?)を最近みごとに裏切ってくれた、さるホテル。
窓から外がなんか見えにくいなとは思ったけれど、
室温はなかなかなムラのないほどよさで、エアコンの設定効率もよかった。
窓サッシも樹脂製のようで好感できるものであります。
最近大手のビジネスホテルでは標準化されてきていますね。
いまだに住宅でアルミ窓を使っている住宅企業社長は出張宿泊してほしい。
で、朝になって気になっていた窓を開けてみたら、
なんと窓外側でビニールの「マスキング」がしてあった。
これって北海道の昔の寒い家の防寒策で一般化していた「気密化」と同様。
ドラマ「北の国から」でも子ども時代の純くんが見よう見まねでやっていた。
「おお、なかなかいいな」悪くない工夫だと感心していたら、
ホテル側からは「外壁塗装工事のための一時的ビニール被覆で、
ご迷惑をおかけしております」という案内を聞かされた。
いやいや、ビジネスホテルにそういう観光的眺望まで期待はしていない、
むしろ結果として「気密化」していて断熱効果が高くて
「あったかくてよかったですよ」と申し上げたら「照れ笑い」されていた。
こちら側としてはむしろ工事中だけでなく冬中、こうしていた方が良いのではと
客としてつい「ハッキリと」言ってしまいました(笑)。
こういう発言、配慮の無い正直さで迷惑というものでしょうかね?
Posted on 12月 3rd, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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