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【きた住まいる南幌、パッシブ換気系が多数派】

今回のきた住まいる南幌の5棟の住宅群では、
それぞれの工務店+建築家コンビごとに設備については独自に設定。
結果検証としての測定については北大の菊田准教授がされています。
詳細な設備仕様については各社ごとに開示されることになっています。
また、一部の住宅ではたいへん実験的な取り組みもしているので、
そのあたりはまだ、開示できない部分もあります。
で、菊田先生から全体の設備仕様についての説明プレゼンがあったので、
そのスライドをご紹介します。

全体として、熱交換換気(1種換気)の採用ケースはありません。
一般的な住宅では熱交換換気が主流だろうと思いますが、
各社コンビともモデルハウス的な位置付けとして
「よりローテクの方向で知恵を絞った」結果、北海道でチャレンジが多い、
パッシブ換気、あるいはそこからさらに微調整したシステムを採用している。
北海道では標準的な基礎断熱された床下土間空間に新鮮外気を導入し
アースチューブなどの自然な手法、さまざまな工夫で「予熱」させて、
そこに最低限の機械として熱源ボイラー、今回はほとんどLPG利用のもので
循環温水放熱によって加温させ、それをゆっくりと室内に暖気上昇させ、
さらに対流させるという手法をとっている。
その「暖房熱」からもまたさまざまな手法でムダなく回収し再利用しようと
工夫を凝らしていました。
このあたりは、全国から来られた建築関係者のみなさんも驚かれていた。
「もうお腹いっぱいですわ(笑)」。
当然のように熱交換換気が採用されていると思い込まれていたようですが、
北海道の作り手は、設備設計ではまことに柔軟に
固定的な観念を持たずに、よりローテクに、より自然エネ活用型にと、
多様な選択を行ってきている。
こういう暖房・換気装置は北海道的気候環境では
冬期間、それこそイキモノのように日々結果検証が蓄積して行っている。
そういうリアルな検証結果から、住宅の作り手たちは
いわば肌感覚で設備に対しての鋭敏な選択眼を持っていくのでしょう。
こういう部分での切磋琢磨が、高品質でありながら、
トータルコストとして割安という、優れた「合理精神」を育んでいく。
考えてみると、こういった市場環境地域があることは、
結果的には、全国の住宅設備業界に取ってみれば得がたい
テストマーケティング市場であるともいえますね。
この市場でシェアを取ることがそのまま全国市場のベンチマークになる。
市場規模だけではない価値感がそこにはあるでしょう。

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