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【家事動線・水回り一直線プランの合理性】


写真は、きのうご紹介の北海道恵庭のビルダー・キクザワさんの
最新NearjyZEH住宅の水回りの様子。
1階の玄関からの「ウラ動線」で、まっすぐに水回りが配置されていた。
玄関は表玄関から奥に土間タタキが連続していて、
家族のための日常的動線空間が展開している。
たっぷりの収納なども用意されて日常生活の利便性に配慮している。
こういう動線計画はいまや、北海道では一般的。
言ってみれば勝手口文化がない北海道での「新・勝手口」なのかも。
表玄関に対して、ちょっとした「仕切り」で結界を作っている。

で、その「勝手口」玄関から、まっすぐに収納、外套クローゼット空間、
トイレ、洗面が配置され、引き戸があって、その奥に洗濯コーナーがあり、
そこを左に曲がると台所に通じている完全なウラ動線。
洗濯コーナーをまっすぐ進むとお風呂になっている。
お風呂前の「脱衣」コーナーの目隠しのために引き戸が途中にあるようです。
こういった「一直線配置」の水回りコーナー、
まことに生活合理性が感じられて、納得させられていた。
で、気付いたのが、昨年訪れた神戸郊外での「里山住宅博」での
堀部安嗣さん設計でダイシンビルドさん施工のセンターハウス。
下の図面はそのときいただいた図面の写真であります。
この住宅はコストパフォーマンスをしっかり考えたプランでしたが、
とくに2階の奥の水回りがこちらもまっすぐ一直線でした。
キクザワさんの設計図面は参照していないのですが、
たぶん両方とも一直線のコーナーは4間だろうと思います。
キクザワさんのプランでは、台所や居間から正面には
洗濯&脱衣コーナーが位置し、視線に対して引き戸で遮蔽している。
一方、堀部設計プランでは、2階の中央廊下から「見せる」要素として
洗面コーナーが配置レイアウトされていた。

洗面は水回りの中で一番ビジュアル構成しやすいので、
廊下からの視線として、この雰囲気はデザイン性から考えると美しい。
こちらは2階でありプライベート空間としての考え方で、
右側に洗濯コーナーから外部物干し空間、
左側に洗面、トイレ、お風呂という構成だった。
脱衣コーナーはプライベート空間としてとくに計画されていなかった。
このあたり「脱衣コーナー」の扱い方は、それぞれ家族ごとに違うでしょう。
また1階と2階という違いも空間機能性に違いを生んでくる。
なかなか対比的で面白いなと観察させていただいていました。

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