札幌でもときどき遭遇するのが、カビくさい建物。
人間居住環境ではかならず湿度の維持が必要になります。
洗濯はそれこそ毎日でも必要だし、日本人の食生活自体も
主食のお米など水分の大きい食品が多いように思われます。
とくに北海道などでは冬場、洗濯物の室内干しも一般的。
そういう生活習慣でありながら、建物の断熱が不足していると
室内の温度差が引き起こり、冷却部位で結露してカビの胞子が付着し、
繰り返されることで増殖して、カビくさい空間ができあがってしまう。
札幌市内でそこそこ有名なお蕎麦屋さんとか、和風割烹のお店で
そういった建物に閉口させられた経験もあります。
使っている人が、気付くか気付かないかということはあるのですが、
たぶん、毎日そういった空間にいると鈍感にもなるのだと思います。
有名割烹の方は、名前だけで食べに行くような店なので、
「夏場を中心」に、まぁなんとか続いているようです。
和風の立派な床の間、聚楽の塗り壁という見てくれではあるけれど・・・。
一方、本州系大手ハウスメーカーで新築したお蕎麦屋さんの方は、
数年で建物ごと、そのお店がなくなっておりました。
食べ物屋さんで結露・カビの匂いに鈍感な作り手の店って、
ユーザー側からすれば、その味覚センスも疑わざるを得ない。
北海道ではそんな状況なのですが、
本州地域では、気候がまだしも温暖でそこまでのレベルではない、
でもやっぱりカビくさいよね、というお店は多いと思います。
平行移動して北海道で営業していたらアウトだなと思う。
結露とカビって、そういった問題なのですが、
先述のように、気付くか気付かないかという点が大きい。
食事などのお店の場合はユーザーは瞬間的に出会うだけなので
そのあと、あんまり行かなければいいだけなのですが、
住宅の場合には、長時間そういった空間に居続けていると
健康被害を引き起こす、その原因にもなり得る。
カビくさいことに、消臭剤とかの対症療法は瞬間的にしか通用しない。
原因は元から絶たなきゃダメなんですね。
基本的には断熱性能を向上させて、適切な温湿度コントロールが可能な
そういった居住空間にしないといけない。
ただ、どうしても「臭いものにふた」という対応になっている。
ニッポンの悲しい現実ではあるのですね。
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Posted on 3月 2nd, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅性能・設備
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