年末からの大雪が、ここにきてわが家を再度、襲っていました。
写真でおわかりのように、屋根に「雪庇」ができておりました。
年末旅行前25日頃に若干は確認はしていたのですが、
留守中6日間でその出っ張りが、視認的には約1m程度になっていた。
この屋根部分は20年ほど前の増築部分でして、
この奥に手前側に向かっての落雪屋根があり、
そこからずり落ちてきた積雪が、このフラットルーフ屋根上の雪を
「面的」に押してきて、こんな形状を見せてきていたようなのです。
増築してこの屋根面ができてから20年間ほど経過してきているけれど、
こういった「雪庇」生成はまったくなかった。
ことしの冬の最初の大量積雪が水分を多量に含んだ雪で
それが水平屋根面で氷結し、フラットに「層」を形成して
そのことから積層面として一体的な動きをするようになってしまい、
その次の雪は軽く大量に積層し、その間で時間差がそれほどなかったことと、
気温的には最初の大量降雪からずっと厳しい寒さが継続している
といったような特殊な気候条件が重なった結果なのだと思います。
気候変動は北海道の雪質にも変化を来していると言えるでしょうか。
この雪庇直下は駐車場であり、この時期は未使用の状態。
万が一、当家敷地への進入歩行者がいる場合のRISKが考えられたので、
念のために赤コーンを設置して注意喚起し、その上で雪処理を考えた次第。
とりあえずはこの状態を保っていて、見た目的には安定的でもあるようでした。
北海道の雪質は軽く、このように1m程度飛び出していても、
自重で落下するまでは相対的に重くはない。
1m飛び出しているけれど、屋根面には4m程度の連続した雪塊があって、
ヤジロベエのように安定した状態になっているということ。
たぶん、北海道以外のみなさんにはあまり見覚えがないでしょうね(笑)。
北海道では、とくに札幌などの住宅密集地で、
屋根からの落雪を堆積させておく空地が十分に確保できなくなってきて、
屋根に乗せたままにしておいて、融雪を樋を通して水として落とす、
というタイプのスノーダクト無落雪屋根が取り入れられました。
しかしそれは、断熱技術の欠損の結果、屋根に室温が逃げていって
その熱が雪を融かすということを前提としたような屋根でした。
その後、断熱技術が向上して屋根に熱が漏れることを除去し、
雪は乗せたままにして、その上での太陽熱での融雪水は、
若干の水勾配でダラダラと落とすというフラットルーフなどに変わった。
その後、三角屋根デザインはそのまま採用しても雪止め効果のある
スノーストッパールーフなども開発された。
わが家の場合は、こうした北海道の屋根の変遷を踏まえて
一部では堆雪場所や無落雪屋根に向かって落として堆雪させて、
大部分ではフラットルーフ無落雪屋根としていたのです。
今回はその落雪させる屋根からの雪が、無落雪側の屋根の積雪を
「面として押し込む」動きを見せてしまったということ。
逆に言うと、20年以上問題がなかった屋根形状が、
今年の冬のやや異常な降雪状況で問題を発生させたと言うこと。
やむなく、一部は下写真の「雪庇落とし」で落としたりしましたが、
やはり端部まではムリだったので、屋根屋さんのヘルプを受けて
屋根の雪下ろしを行った次第です。
気候変動は北海道の従来常識的な冬の気候、雪質をも変化させてくる。
今後、どのように対応すべきか、検討していかなければと思っています。
Posted on 1月 8th, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅取材&ウラ話
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