ここんところ「環境住宅」をめぐってのやや空中戦的な論議が多くて
どうもアタマが硬くなっていたところ、
それをやわらかくさせてくれる、住宅見学の機会がやってきました。
やっぱり実際の住宅を見学する機会は
いろいろな刺激が自然に得られて、また人の情報として伝わってくる。
頭でっかちではない、柔軟なものづくりが感じられてうれしい。
きのうは正午過ぎに全道から集まった50人くらいで
合計5棟の住宅を見学してきました。
そのうち4件の住宅では、詳細な図面、矩計図、Ua値計算も情報として
しっかりといただけた。
こういったその住宅の素性を論議できる基本スペックは
高断熱高気密住宅見学では共通言語として不可欠だと思います。
わたしどものReplanでも「断熱仕様」として創刊当時、25年前くらいから
いわば住宅のスペック情報として、心がけてきた部分。
そういったベースがあって、こうした情報が北海道では普通に流通している。
先般来の「環境住宅」論議では、そういった共通のモノサシもなしで
それぞれが独自の自分だけのポイントで主張してくる。
公知のわかりやすい指標で論議できる環境と、
いちいちのバラバラの主張を聞き取って、その主張と合わせて
考えを深めなければならない世界、
どっちがわかりやすいかは、ハッキリとしていると思います。
こんなようなスペックシートが渡されて、
丁寧に詳細情報が語られている。<上の住宅のデータとは違います>
上の写真で見た住宅では、Ua値が0.28ということ。
重厚な断熱仕様で、壁厚さは300mmということです。
きびしい北海道の断熱条件の下でも、ZEH基準にほぼ相当する。
厚い壁厚は、外皮に重厚さを与え、窓回りの陰影感の濃さは
視覚的にも性能の良さがわかりやすく伝わってくる。
淡々と、奇をてらうことなく作られている環境住宅、
そんな佇まいを感じさせてくれていました。
さて、本日はきびしい条件下に置かれている北海道での
ZEH住宅をどう作っていくのかについての、勉強会が開かれます。
前真之先生いわく、分からず屋の「トランプ三木」と仮想敵とされましたが(笑)
もとより地球温暖化防止目的であるZEHに対しその趣旨には賛同しています。
その方向をどのように具体的に作れるのか、
淡々と北海道の作り手たちの研鑽ぶりを確認し、
情報共有していきたいと考えております。
Posted on 6月 22nd, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅取材&ウラ話
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