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【Replan最新号/家と家具の幸せな関係 in 旭川】

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旭川では6月22日から26日まで「旭川デザインウィーク」が開かれています。
豊かなナラなどの森が周辺に広がっている道北の中心都市・旭川は
北海道の開拓初期から、世界有数の家具用材の産地として
ヨーロッパなどの家具メーカーから注目されていました。
家具職人として旭川に生まれ、ヨーロッパに修行した
当地の家具メーカー・カンディハウスの創業者・長原さんは、その修行の地で、
旭川周辺地域の木が家具原材料として使われていることを目の当たりにし
やがてそのデザインエッセンスを学び、家具産業を旭川の基幹産業に育てたいと
志したというエピソードがあります。
いま、そうした思いを継いで、多くの地場家具メーカーが頑張っています。
このイベントは年間最大の旭川家具の現在を伝えるプレゼンテーション。
22日のイベント初日、本誌の最新号特集も家具と家だったことから
会場の雰囲気を体感して参りました。

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会場でつい目を奪われてしまっていたのが、
家具の再生サービスを東川で手掛けられている「木と暮らしの工房」さんの展示。
なにげに展示されていた収納家具の引き戸表面の木工の様子。
この家具は持ち主の方から修理を依頼されて、
その木組みが各所で破綻していたのを丹念に修復して
それを保護するようにガラスでサンドイッチして加工し直したというもの。
その他の部位でも、原デザインを活かしながら、
今後の耐用性の向上をできる限り頑張ってみたというものでした。
この家具の素性について同社の鳥羽山さんにお話を伺うと
たぶん戦前、80年以上前のモノだろうと言うこと。
微妙な木組みは、無くなっていた部分をほかの箇所を参考にしながら、
丁寧に復元していったそうで、クリアには理解出来ませんでしたが、
そういった精魂を込めざるを得ない部分について
息づかいにも似た感受性の部分にふれるお話しを聞くことが出来ました。
本誌最新号の特集テーマとも共振するようなメッセージ。
材料が乏しく貴重な時代、表現可能な部分で制作者が
この家具に込めた手仕事の様子がまさに手業として伝わってくる。
家もまた、もう少し大きめのサイズであり、また家具とは違って
そのなかの空間にこそ、人間の暮らしを入れ込むものではあるけれど、
通底する人間とのかかわりを感じさせてくれる。
家と家具は、その扱っているサイズにこそ違いがあれ、
ともにそこに住む、使う人間が強く意識されて作り出されてくるものであると
そういった強い印象を受けた次第です。

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