札幌雪まつりでごった返す札幌の街に
建築家・丸谷博男さんが来られて、表題の研究会の開催であります。
丸谷さんは東京芸大出身で、科学する建築家・奥村昭雄先生のお弟子さん。
奥村先生が太陽エネルギーを使ったパッシブな家を提起された当時、
その研究生として、自宅建築を実験台に提供された。
わたしたちとは年代も違う方なので、奥村先生は存じ上げませんが、
その薫陶を受けた丸谷さんにはいろいろと交流させていただいている。
芸大出であるけれど、さすがに科学する建築家・奥村昭雄のお弟子さんらしく
美学をベースにしながら、環境建築への志向を持っている。
そうした思いを持ちながら、日本の民家について
行動的なスタンスでひとつの運動体として「エコハウス」を
追求されてきている。
わたしたち、北海道をベースにしながら高断熱高気密運動のなかにいる
そういう立場からすると、ときにベースの違いを感じさせられますが、
その情熱にはリスペクトを感じる存在であります。
きのうの研究会は、それこそ研究会らしく、
いろいろな立場のみなさんの研究発表がうかがえて
たいへん勉強になり、かつ参考になった次第です。
以下、きのうの発表と発表者、テーマの箇条であります。
1 呼びかけ人・丸谷博男さんの趣旨説明
2 北大長野研究室・葛隆生准教授による地中熱ヒートポンプの話題
3 輻射暖冷房・クール暖のメーカー・テスクさんの発表
4 パッシブハウス基準クリアの木製窓について開発者・飯田信男さん発表
5 建築家・照井康穂さんのエクセルギー的建築環境論
6 稚内産珪藻土についての日本システム機器・関さんの紹介
7 屋根の上から、北海道の屋根板金事情について樋口建人さんの現場報告
8 (株)物林さんから 木製サッシなどのお話し
9 釧路から鶴居に居を移した建築家・柏木茂さんの分離発注システム論
10 最後に丸谷さんの「日本住宅建築歴史論」
という、まことにバラエティに富んだお話しで、これは当社のスタッフに
勉強させたかったという内容でした。
個人的には、丸谷さんの歴史論にはいろいろ突っ込みを入れたいところ(笑)
でしたが、時間の関係もあって、悶々としておりました(笑)。
それと照井さんの説明前に、「エクセルギーで考えるとわかりやすい」
という事前説明を個人的に受けていたのですが、
室内光は、いったん外部の「蓄熱装置」で受け止めて、その熱を回収してから
反射光としてだけ室内に取り入れるべきではないかという点には
たいへん強い印象と興味を持たされました。
今後、各参加発表者と、交流を深めていきたいと思います。
Posted on 2月 7th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅性能・設備
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