いろいろな便りで、関東以南のサクラ満開ぶりが伝わってきます。
まことにご同慶の至りであります。
やはり春と言えば、満開のサクラが日本人を刺激する。
ただ、春の訪れには時間差がある。
北海道には、同じ尺度ではまだ春は1カ月近く先の話になる。
フランス語では、都市は女性名詞とされているそうですね。
だから、都市間で仲良くしましょうと言うときに
「姉妹都市」になるのだと聞かされる。
そういった類推からすると、札幌は日本語文化圏で
いちばん年下の妹である街、ということになるのではないかと
いつもそんなふうな情緒でものを見るクセがあります。
旭川やその他の都市も北海道にはもあるワケですが、
わかりやすく札幌を対日本社会で北海道代表と考えた見方です。
冬になって、白くお化粧する彼女は、
日本中から羨望を持って、その美しさをたたえられる。
いや、いまはすでにアジア中と言った方が良いかもしれない。
中国で放送された人気ドラマが北海道を舞台にしたことで
かれらのエキゾチズムをいたく刺激して、
その風景を体験したいと、多くのひとが来るようになった。
そのように、札幌は美しい冬を持つ街として
多くの人の心に刻み込まれ続けている。
そういう彼女が、しかし、一番年下であることを深く自覚するのが
この春の季節なのだろうと思います。
お姉さんたちは、輝かしくうつくしい衣をまとって
その美しさの咲き誇っている様子を、遠くからじっと見つめ続けている。
「いつかわたしだって・・・」という内語を持ちながら。
まるで、そんなような都市ストーリーに仮託したくなる、
この季節、こんな乙女の心情のような雰囲気に包まれる一時を、
北海道の人々は過ごします(笑)。
なんですが、しかし冬の美しさのせいで遅くはなっても
やっぱり四季の変化は確実に、彼女の表情も変えていく。
北に住むものは、そういった時期の彼女の美しさも発見してあげたくなる。
なんか、変なブログではありますが、
現代は、「都市の快適性」という大きなテーマが
きわだって見えてきた時代なのではないかと思っています。
都市に暮らすと言うことの普遍性と個別性との
両方の価値観から、都市というものの快適性が評価される。
そのことと、人口減少によるコンパクトシティという理念が
同時に進行していって、都市居住の価値観に変化をもたらすのではないか
そんな妄想を徐々に膨らませつつあります。
さて、こんな季節でもあるいていると
独特な美しさも、そこら中に見えてくるものかも知れません。
雪融けの麗水が元気よくとどろく様や、
高低差による季節感のコントラスト、太陽光の微妙な変化による
見え方の面白さなど、
探せば魅力一杯な彼女ではないかと・・・。
Posted on 4月 1st, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 「都市の快適」研究
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