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「民衆革命根拠地」越前・吉崎御坊

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さて本日は久しぶりに歴史探訪ネタであります。
閑話休題をお許しください(笑)。
きのうの北海道対福井県の対戦となった選抜高校野球決勝戦。
すばらしい試合だったと思いますが、
福井県にわが北海道勢は敗れ去りました。
福井県のみなさん、おめでとうございます。
昨年はじめて北陸地方を訪れてから、
すっかり北陸の魅力にとりつかれております。
里山と海のおりなす能登の風景に完全にノックアウトされてしまったのですが、
最近は、NHK朝ドラマ「マレ」もはじまって、
主人公の女の子のかわいらしさばかりでなく、
その風景がテレビ画面でも美しく描かれていて、胸キュンとさせられております。
やはり北陸は海とのコントラストがたまらなくいい。
いまのところ、ドラマでは塩田が舞台になっていて、
やはりみんなあの魅力に惹かれるのだなと、共感できます。
わたしも塩田の様子を、経営されている方から話を聞いた経験があって
ああいう営みがあり得ている風土にいたく惹かれる。

ことし冬に北陸にふたたび行ってきたのですが、
その折りには能登ももちろんですが、南下して東尋坊周辺を走っていたら、
ふと「吉崎御坊」という名前を標識に発見して、
「おお、ここがそうなのか」と、思わず足を止めてしまっていました。
そうなんです、歴史好きにはたまらない、土地としての吸引力を持っている。
戦国とは、武家の天下争奪戦もあったのだけれど、
それと深く関係するように宗教としての天下争奪も進行していた。
北陸加賀国が、「百姓の持ちたる国」になったのは
日本史のひとつの象徴的な事態だったと思っています。
そのころは学生運動に傾斜していたので、
この蠱惑的なフレーズに、心象が激しく反応していた。
その宗教的な運動のひとつの「根拠地」としての
「吉崎御坊」という地名に、忍者武芸帳・影丸伝の世界が投影されて
日本にも、そういった民衆革命の種火はあったのだと
深い憧憬の気持ちを持っていたのです。
まぁさすがに大人になった今は、
そういう心象からははるかに離脱しているのですが、
思春期のうずきに似た、かさぶたの痒さのようなものは今もある。
写真は、宗教教団としての浄土真宗の施設建築ですが、
京にも近く、活発な商業交易拠点としての性格も
この地に来てみれば、ほぼ明瞭に確認することが出来る。
日本では交易活動・商業と宗教もからみあっている部分が強い。
文字や計数と言った情報解析能力の高い僧侶たちが、
日本の対外交易活動において、大きな交渉力になったことは疑いない。
浄土真宗の拠点は、同時にそうした商業立地と見事に重なる。
海運・水運の入り組んだ地形をクルマで走りながら、
そんなことをカラダで感じていた次第です。・・・

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