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石油値上がりで、電化リフォーム大人気

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わが家は、以前事務所兼用住宅だったので、毎年のように建物に手を入れ、増築などもしていました。
3年前にようやく、歩いて5分の場所に事務所を別に新築して、平和なすまいになったのです。 ・・・が、
そのあいだのやりくりの結果、床面積が86坪にもなっちゃって、そのうえ吹き抜け空間もあるもんですから、基本的な気積(空間の大きさ、平米ではなく立米)が大きすぎるんです。寒冷地住宅の基本である「暖房」ですが、わが家は灯油セントラルヒーティング床暖房。でも現状は局所暖房化しちゃって、まだらな室温状態。さらに暖房費用も高くて、とても住宅レベルじゃないんです。 おまけにロードヒーティング費用(自宅と事務所2カ所の雪かきはノーサンキューなもんで)もかさんだこともあり、今シーズンは待ったなしで、暖房計画の見直しを迫られています。
ところが灯油セントラルの床暖房を増設したら、たいへん割高だし、工事も大がかりになりそう。
ということで、わが家の熱環境的な弱点である、大きな吹き抜け空間のコールドドラフト(冷気流)対策には、電気蓄熱暖房器を設置することにしました。
もともと調理の方には、16年前新築時からクッキングヒーターを入れて200v配線が設置済みなんで、その面の工事費が軽減できるから、いちばん工事も簡便、合理的。 やって見なきゃわからない部分はありますが、わが家は気密性能で言えば1cm平米クラスと熱効率もいいので、計算的にはコストダウンできるはず。
ちょうど、ほくでん電化生活情報館「MADRE」がリニューアルオープン。
札幌市中央区のサッポロファクトリーのなか。電化リフォームの情報もさまざまに情報提供されています。
「電化ってeね、キャンペーン」もやっているので、運がよければDVDレコーダーも当たるかも!  やった、って、まぁ、とれそうもないタヌキの皮算用ってとこかな。
10月8日(土)きょうオープンってことですが、その前にさっそくスタッフが行ってきました。
写真はその様子。
安全・クリーンな電化のくらしがイメージできる体験型の展示になっています。また、機器とシステムの進化ぶりも一目瞭然。暖房については最近は一時の蓄熱暖房器一本やりから変化してきて、バラエティがぐっと広がって、暮らしに合わせて選択できる機器がずらり。
とくに今年は、灯油の値上がりがご存知のように目をむくほど。
わが家の工事をお願いする電気工事店さんに聞いたら、いまから目が回るほどの忙しさだとか。(雪国では、12月に向けて新築・リフォームの工事が追い込みになるんです。) みなさん目の付け所は一緒なんですね〜。
いろいろなエネルギーを複合させて得られる電気は、エネルギー価格をある程度緩和出来る柔軟性があります。
コスト的なメリットも出て、しかも安全クリーン。こんな状況にはぴったりというわけですね。
ということで、さて、わが家の暖房リニューアル計画、どうなっかなぁ。
工事進行など、これからここでご紹介します。
ケチケチ、コスト削減実現できたら、いいよなぁ、
って夫婦でにんまり顔見合わせたら、かみさんから先に
「暖房費浮いたら、わたしiPod買うかんね」って言われちゃいました。
なんか、納得できないなぁ。  でもきっと押し切られそう・・・。
とても逆らえません、くわばらくわばら。

屈斜路湖畔に暮らす〜北海道への移住者たち.1

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屈斜路湖って、知ってますか?
最近、知床の世界自然遺産指定で、北海道東部の観光人気が盛り上がっています。で、屈斜路湖は体験型の観光拠点として人気も高くなってる。
この家は、その湖の近くに建つ大阪からの移住者の方の家。
ネイチャー志向の建て主さんと、意気投合した地元の大工さんの建てた家です。
建て方は、真壁木造。
というかポスト&ビーム。
構造の柱や梁をそのままあらわしで作るわけです。
で、暖かい家にするには100mm程度の断熱もしなければならない、そうすると勢い、よく使われる材料の倍くらいの太さのものが必要になるのです。
北海道では規格(105mm)以上のあんまり太い構造材は入手しにくい、出回っていないのですが、「あんな細い柱や梁はイヤだ。どーんとぶっとい本物で家作りたい」ということで、いろいろ手を尽くしてふんだんに地元の原木が使われています。どれもこれも200mm以上もある野太さ。
(といっても、知恵と工夫を一生懸命使って、お金はそれほど使ってないんですけどね。)
窓の枠に使っているのがようやく普通の構造材105mm。
「はぁ〜・・・」と、しばらく声を忘れるほどのこだわりぶり。
「あんな細い窓枠なんて、使いたくなかった」ということだったのですが、まぁ確かにバランス的に似合わないのはわかる。
大きな三角屋根で、軒の出も十分にとって、雄大なまわりの環境にもぴったり。
建て主さんの仕事は、夏場は屈斜路湖で観光関連業を経営。冬になると大阪での仕事に戻るという2重生活なんだとか。(取材したのが10年前くらいなんでいまはどうされていますか、不明ですが)
奥さんも京都の出身とかで、台所の作られ方もシステムキッチンをポンっていうのじゃなく、細かく造作で作り、冬はクッキングストーブで調理するという本格派。
道東の暮らし良さは、こういう移住者のみなさんがむしろ一番理解しています。
「この辺、なんもないんだゎ」と愚痴ってばかりの地元民が多いなかで、自然のなかでの暮らしをおもいっきり楽しんでいる様子が伝わってきます。
楽しみ方、暮らし方っていう部分で、ホント、教えられることが多いんですよね。

くさる家、くさらない家

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雨漏りのはなし、みんな好きみたいですね。
で、きょうはもっと深刻な建物の「くされ」です。 これ、「腐れ」と書くと、ちょっとキワすぎそうなので、オイオイ過激だ、まてまて、とちょっと自己規制。
でも写真はウソつかない、隠せない。何より雄弁。
右と左で、明らかですよね。
(グラスウールの色が違うのは製品による違いです)
左側は、築後たしか15年くらいの札幌市北区の建物。石狩湾からの風が強い場所で、建て売り住宅だったんです。 とはいっても建て売りとしては気密性能は悪くないレベルで、たしか6cm2(平米)くらいでした。
<注:気密の性能は1m2あたりの隙間の面積であらわします。6cm2というのは、初期の北方型住宅の基準値が5cm2でしたから、そう悪いとはいえないわけです。>
でも、寒〜〜かった!んだそうです。(すこし訛りいれると感じが出るんだけどなぁ〜テキストじゃ表現、こんなとこ)
家族の誰かが玄関を開けるたびに、室内から「オイ、はやくドア、閉めれヤ」と、怒鳴り声が飛んでいたほどだとか。
やっぱ、風や空気流動って、寒さを倍加させるものなんですな。
で、「断熱やりかえるべや、そうだリプランだかプリランだかって、いい雑誌あったべさ」(希望的推測)ということで、あったかい家にするべくリフォームしたんです。この写真は、そのときに土台廻りの状態をチェックするために壁をはがしたところ。
土台の木材、黒々としております。木って、水分を含めば含むほど、くされが進行していき、最終的には、まぁ土に戻っていくんですね。その過程で構造的耐久力はどんどんレベルが下がっていく。
どうしてこんなに黒くなっているのか、原因として考えられるのはまず「結露」。 これは室内の暖かい空気にふくまれる水分が、急激に冷やされる部分に集結して発生するもの。あと、もうひとつは雨漏りなど漏水によるもの。その複合というケースも多い。
ってことですが、こうして状態を確認しなきゃならないんですね。
リフォームで価格が明確に出来にくい要素は、こうした部分。
状態を確認するために開けたが、土台や構造材を取り替えるべきかどうか、まぁ大丈夫と判断してひきつづきそのまま使用するか、あるいは一部だけ取り替えるか、いろいろなケースがあって、あらかじめ、見積もり立てられないんですよ。まぁ、予測はある程度はもてるにせよ。
極端に言うと、こうやって壁を開けたときに、新築の時の手抜き実態が赤裸々に、っていう・・「オイ、どうする?」なんてことまであるんですね。リフォーム業者が新築業者の尻ぬぐいをさせられるみたいなケースもあると聞きます。
こういうの、なかなかオープンには出来にくいんです。
いっぽう右は、これは清く正しく施工されている、北海道の建築技術をしっかり勉強した青森県十和田市での例です。
築後7年目の木造住宅なんですが、まじめにきちんとした断熱・気密ぶりと、その下部に見えている土台の乾燥ぶりがくっきり。 
きちんと施工できればユーザーにとっては、なんといっても安い! 価格的なメリットが高いグラスウールの充填断熱。
より簡易だ、という主として作る側の論理優先の外断熱大流行ですが、一部にはグラスウールをきちんと施工するという基本をすっとばしたいんだ、という困った風潮も散見します。世界的にも圧倒的にグラスウールが断熱材の基本なんですけどネ〜。
こういう現場もユーザーのみなさん、しっかり見てくださいね。
断熱材を選ぶと言うよりは、やっぱ、しっかりした施工の出来るプロを選んでください。

雨漏りの水平天窓

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1991年に建てたブロックのわが家。
たいていの人には失敗があるように、家には困った問題点も出るものです。
入居した頃は、ホントわくわくドキドキが毎日連続長編ドラマ。音ひとつとってもそれまでのマンション暮らしとは全然違う。だって、話していてドルビーサウンドに聞こえるほどの反響音で、すっげー高級な空間という感じだったんですよ。 あんまり音楽の趣味はないのに、BOSEのスピーカーを天井に仕込んで環境音楽やら、ジャズやら、ハッキリ陶酔してました。
家族がどこから呼んでも、所在がすぐにはわからない。まるで迷宮のラビリンス気分。
採光面では、家の真ん中に3層分の吹き抜けがあって、なんと無落雪屋根なのに水平な天窓に挑戦したんです。 
はじめは3階の床も張っていなかったので、家族そろって2階の寝室から川の字で寝ながら、天窓からロマンンチックな星空を見て、夢のなかに落ちるという・・・。家の楽しみを満喫してました。
ってこれは気持ちよかったけど、お察しのとおりやっぱ問題発生!
木製窓だったのですが、フラットな屋根への取り付けは想定の範囲外。
ある雨の日から、きたんです、ぽたり・・・ぽたり、って。
で、この天窓は玄関の吹き抜け空間にあるわけで、
最高に気持ちいい場所が、あちゃーとなったわけです。
しばらくの間は、フラット木製窓の上部に張っていたポリカーボネイト板が防水していたのですが、時間の経過で隙間が出来て、雨漏りになったんですね。
それからは、工夫の日々。
とりあえず雨漏りの場所に観葉植物作戦。
ちょうどポタポタの位置に合うようにつり下げて、インテリアとしても楽しむという作戦でした。これはけっこう有効でしたね、・・・って、まったく本末転倒です、ふーっやれやれ。
しばらくのあいだは、雨というとヒヤヒヤの日々を過ごしておりました。
いくつか対症療法をおこなった後、増築時にフラット屋根をやめて、ハイサイドライトに変更して、窓は壁面に垂直に移行させたので、根本的な解決を見た次第です。
でも、あのフラットな天窓の気持ちよさは、捨てがたいものがありました。
こういう組み合わせ構成でやったらいいかなぁ、などとときどきプランを妄想している自分がいます。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、トリ頭でもうしわけありません。

夫婦ふたり、仲よく老いを迎える家

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カナダシリーズどっぷりはまっちゃって、抜けられなくなった。まだテーマあるけど、ちょっとお休み。趣向変えます。
団塊の世代、ってよく言われる年代の、ついの住処〜すみか〜と言うんですが、これがいま話題ですね。 地方の自治体では、首都圏からこの年代のみなさんが移住してくることを期待して、熟年移住プロジェクトが大流行。 北海道でもかなりの期待を持って取り組んでいます。 考えてみると官僚によるこの年代の年金受給開始にかかわる財政危機大合唱が、日本の活力を奪ってしまった、空白の10年を演出したとも言えますよね。最近、「団塊の世代」という言葉の生みの親である堺屋太一さんが、この年代のリタイヤメントが日本の危機の始まりとは言えない、いやむしろ超リッチな熟年世代の出現で、大型の消費が実現する。 しかも、それは世界に先駆け「高齢化社会」のモデルを創出することで日本が先陣を切ることであり、巨大であらたな消費産業が勃興するチャンスなんだ、と主張されています。
まさに、その通りだと考えます。住宅に関わるものとしても、おおいに刺激になる意見でした。 住宅の側から言えば、新築需要の大減少が必至であるというだけの、暗い将来展望ばかりだったのが、そうか、このひとたちの「ついの住処」需要が本格的に始まるんだ、という認識が出てきたのです。 そういう意味で、取材してきた住宅の建て主さんの建築動機を再度みつめなおしてみると、けっこう面白い事例が見られて楽しいんですね、これが。
写真の家は北海道川湯の硫黄山ふもとに建てられた熟年夫婦ふたりだけの家。 なんと玄関ドアには見つめ合うふたりのキスシーンを想像させるデザインが刻まれている、という楽しさ。 子どもたちも巣立って、小さい頃の原風景をいちばん感じるというこの硫黄山のふもとで、人生の夕陽の照り返しの中でふたりっきり、過ごしていきたいという家なんですね。周辺の自然が織りなす季節の移ろいが、静かに迎える日々の豊かさを演出していました。 こういうのを、そうてらいもなく出来る、という微笑ましさに、深くうなずかされたんです。
こんな家が似合うような、熟年に、わたしもなれるんだろうか? 
 はて、さて・・・。

ウェストバンクーバーの3〜カナダの家_9

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さて、わかりやすい高級住宅街、ウェストバンクーバーの高台の頂部に近い位置に建てられている、たぶんいちばん金持ちと目される人の家。まったく説明のしようもない、そのものという感じですね。あまり趣味はよく感じられないけれど、ごつごつとした岩肌に似た外壁が、まるで城壁のようで、ちょっと威圧的とも思えるのはわたしだけでしょうか。ただ、建築的にはこういう高級住宅も、スターターハウスもまったく部材その他、基本は同じで、どこで材料を仕入れてもそういうポイントでは差異はありません。仕上げの材料・設備がグレードアップしているだけなんです。
こういうあられもない豪華主義というか、欲望自然主義というか、なかなか日本人には似合わないタイプでしょうか。でも中国や香港、アジアの国なんかには、わりと多いかも知れません。やっぱ日本人はすこし感じ方が違うということなのでしょうね。まぁ、わたしは遠慮したくなります。少なくとも白い外観は、ちょっとなぁ。  って、ぜったいこんな家がもてるような身分にはなれないので、たんにやっかんでるだけかなぁ? よくわかんないですけど。
欧米の価値観、というよりもアメリカンスタンダードというべき、こういうわかりやすい成功のイメージ、明確でよい、というひともいますね。知人の札幌の2代目経営者で居をバンクーバーに移した人がいますが、かれなんかはこういう感じ、いいと思うんでしょうね。人生の目標が、こういうふうに明確になっていて、これをゲットすることが成功のイメージそのものなんです。アムウェイなんかが成功者の家でパーティを仕掛けて、多くの人の自然な欲望を喚起する手法が、まさにこういうスタイルですね。
ただただ、むむむ、すごいなぁ、と。

ウェストバンクーバー2〜カナダの家づくり_8

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バンクーバーで成功した寿司レストラン・出前寿司を経営している日本人Mさんのウェストバンクーバーの家です。
「わたしなんかウェストバンクーバーでも、高台じゃなくって、下の方ですから(笑)」って、謙遜してますが、広大な庭があってその庭に向かってテラスがあり、そこでジャグジーを満天の星空の下で楽しめるようになっています。敷地が3000坪くらいあって、確かに成功した人かも知れないけれど、たぶん同じくらいの成功者でも日本にいれば、まぁ普通の、ちょっといい家程度を購入できる、くらいなんです。日本では都市の中の高級住宅街のなかの「一般的」戸建て住宅くらい。百坪くらいの敷地にコンクリート住宅ってとこかな。
って、最近はたとえばホリエモンなんかのような、桁が少し違うような成功者を出してきているデフレニッポン、ですからその面では少し似て来たのかも知れないのかなぁ。
バンクーバーでも、香港からの移住者が急激に増えてきて、かれらのなかからの成功者がでてきているとか。中国人って、海外に生活するとすぐに現地で同胞扶助組織を作り、つよい連帯でその移住国のなかでの力を作り出していくんだそうです。世界中で見られますね。そういう文化伝統を持っているらしい。ところが、海外で生き抜いていこうという歴史的経験を持っていない日本人社会は、「日本人会」っていっても、任期がくれば本社に戻る、いい会社の支店長程度がトップに座る親睦会が関の山。
このとき同行した建材輸入の仕事をしているIさんは、Mさんのお店でアルバイトしながらチャンスを作って独立した人。その後も有形無形にMさんのバックアップを受けているようです。仕事で同行したわたしたちの接待まで引き受けてくれているわけなんですね。Mさんのように、現地に住み続けてそこでの成功を考え、さらに自分に続く人たちを支援したいと考えるタイプの人なんて、なかなかいないでしょうね。でもそうした人の広がりがこれからの、世界の中で生きるニッポン人としては非常に大切な部分になっていくものなのでしょうね。

ウェストバンクーバー〜カナダの家づくり_7

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バンクーバーって、札幌よりずっと北緯が高くって、カナダだしきっと寒いんだろなぁ、と思っていったら何のことはない、出発前東京で咲いていなかったサクラが満開で、あったかい街なんです。
聞いたら、メキシコからの暖流があがってくるんですね。で、沖合で寒流とぶつかるそうで、だから魚種も豊かで水産業も大きな産業になっているんだそうです。それに目を付けて、すしのケータリングで儲かっている日本人もいます。パーティなんかで出前寿司が人気あるんですね、ジャパニーズでヘルシーメニューなんだそうで。
一時期、関東以南で大騒ぎの「輸入住宅ブーム」がありましたが、そのころ大量に住宅屋さんがバンクーバーに押しかけて現地の建材を買い付けていったそうです。かれらはカナダは寒冷地という頭があるから、そこで流通している材料なら大丈夫、性能もいいのだろうと安易に考えて買い付けていったそうですが、バンクーバーは暖かい地域なのでチープでプアーな建材も結構出回っていて、そういうのを掴まされたんだそうです。
で、結果、安かろう悪かろうでクレームの山を抱えて、そうした住宅屋さんはぶっ倒れ、「輸入住宅はダメだ」なんて本末転倒の話になった、と聞きました。
写真は、バンクーバーの西、高級住宅が建ち並ぶウェストバンクーバーの「わかりやすい高級住宅」。規格的なツーバイフォーが多い中で珍しくアーキテクト風の住宅でした。
湾入りした海越しにバンクーバーの街が広がるロケーションに向かって建てられています。
っていうか、街全体がその方向にだけ住宅が集まっているのですね。ロケーションに応じて土地の値段が決まっていて、いい場所に建っている人ほどお金持ち、というわかりやすさです。   う〜む。

自分でも建てる〜カナダの家づくり_6

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いろいろ見てきたわけですが、きょう紹介するのはカナダのホームセンター。広大な店内には「え、こんなものまであるの」っていう感じで、なんでもあります。そんななかでも日本じゃないよなぁというのが、写真左の屋根材料のコーナー。アスファルトシングルという一般的に多く使われる屋根素材です。でっかくディスプレイされている「屋根の葺き方」みたいな説明でおわかりいただけるように、建て主自身が、自分で屋根を葺くんです。その部分の労賃が安くなって、家づくりがローコストになるメリットもあるし、「ここは俺がやった」という達成感を建て主が持つことで、家への愛着が深まる、メンテナンスへの自己責任意識が高まるなどのメリットがあると思います。
いっぽう写真右側は家の塗装の塗料コーナー。塗装も建て主が自分でできる大きな工事の部分ですよね。ここではいろいろな色の塗料をブレンドしてくれて、しかもその色をコンピュータで管理していて、何年後でもおなじブレンドの色を購入できるように考えてあるんです。屋根工事とおなじようなメリットがありますね。
戦後以降、高度成長期を境として、わたしたちの社会では職業的な分業が凝り固まりすぎた部分があります。
むかしの建築・古民家などをみると、構造的な精度が大事な部分、基礎であるとか、土台・1階部分の柱・梁といった「基本構造」については大工などの専門職が多く携わっているのですが、たとえば茅で屋根を葺く、といった単純作業では素人が参加してやるのがどうも一般的だったようなんです。たとえば飛騨の合掌造りの屋根の葺き替え作業がテレビなどで放送される機会もありますから、そういう作業の様子を、見られたことがあるかも知れませんね。
ああいうのが一般的だったんですよ。
どう考えても、コスト的には合理的ですよね。
もちろんオプションではありますが、そういうのが、日本以外では現代でも家づくりのプロセスに残っているんですね。
逆に言えば、素人でもできるような工程がきちんと残されている、ということなのでしょうか。こんなかたちで自分でやる工程があれば、いやがうえでも建て主の「主体的参加意識」が、高まるのは当然ですよね。
住宅雑誌やってて、最近のユーザー意識でちょっとイヤな部分っていうのがあって、それって、いびつな権利意識に基づいて、ちょっとした不具合がすべて、なんでもかんでも欠陥住宅みたいな大騒ぎになるところ。もちろんとんでもないケースもあるわけで、全否定するわけではありませんが、やはり家づくりの本質は、他人任せではなく、「自分が建てる」という意識がしっかりあるかどうかだと思うんです。
建築中一度も建築現場を見に行くこともなく、家ができあがってから些末な点をとりあげて大騒ぎして、あわよくば値引きの材料にしようとする、なんて最低のことも散見されるんですよ。
家づくりが、商取引みたいなものだけになっちゃっている部分があるんですね。
そういうのを変えるのに、こういう建て主参加の工事って、大切ななにかを思い出させるんじゃないかと思うんです。
ハートの部分に、こういうのがちゃんと残っている家づくり文化、やっぱ自然ですよね。

基礎・水回り〜カナダの家づくり-5

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カナダの家づくり、きょうは基礎(というか、コンクリート地下)と風呂などの設備について。
日本の建築基準と大きく違うのは基礎の作り方。日本の場合は地震国ということもあって、配筋などこまかく定められ、基本的に田の字型にしっかりコンクリート壁が形成されています。いっぽうカナダでは、右側の写真のようにコンクリート外周のみの単純な5面体が基本。真ん中に鉄の棒が束のように立てられて、床の横架材をちょっと支えている程度。
構造は床面が一体となるプラットフォームで面剛性が高いのでこれでOKなんだそうです。
見学したサスカツーンは北極とたいして違わない、凍結深度(冬に地面が凍上し変形する可能性のある深さ)が、なんと180cmなので、完璧に地下室がこうしてできあがる。おまけにここは当然床面積に算入されていません。なんか得した気分になる。このスペースは、DIYに絶好の場所なので、住人はせっせと日曜大工して、趣味の部屋などに利用しているんですね。こういうのが最高の楽しみになっている。
サスカツーンなんかとは凍結深度が全然違う、大変温暖なバンクーバーやその他の地域でも、地下室っていうのはどうも標準的。豊かなホビー生活、まずはこうした場所のある、なしってのが大きいですよね。
カナダの建築関係者に聞くと、日本の住宅と決定的に違うのがお風呂。
日本人は広めの「水の流せる床面」がある風呂になりますから、床面の入念な防水処理が必須。当然ユニットバスなどの需要が高まり、その面は進化しました。こちらのは、床面の防水というのは特段配慮されません。バスタブ・シャワーと床の仕切はたんにカーテンくらいなんですね。「えー、これでいいの〜」というのが日本の建築関係者の驚きの声。
けっこう、ディテールに違いがあるもんでしょう?