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夫婦ふたり、仲よく老いを迎える家

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カナダシリーズどっぷりはまっちゃって、抜けられなくなった。まだテーマあるけど、ちょっとお休み。趣向変えます。
団塊の世代、ってよく言われる年代の、ついの住処〜すみか〜と言うんですが、これがいま話題ですね。 地方の自治体では、首都圏からこの年代のみなさんが移住してくることを期待して、熟年移住プロジェクトが大流行。 北海道でもかなりの期待を持って取り組んでいます。 考えてみると官僚によるこの年代の年金受給開始にかかわる財政危機大合唱が、日本の活力を奪ってしまった、空白の10年を演出したとも言えますよね。最近、「団塊の世代」という言葉の生みの親である堺屋太一さんが、この年代のリタイヤメントが日本の危機の始まりとは言えない、いやむしろ超リッチな熟年世代の出現で、大型の消費が実現する。 しかも、それは世界に先駆け「高齢化社会」のモデルを創出することで日本が先陣を切ることであり、巨大であらたな消費産業が勃興するチャンスなんだ、と主張されています。
まさに、その通りだと考えます。住宅に関わるものとしても、おおいに刺激になる意見でした。 住宅の側から言えば、新築需要の大減少が必至であるというだけの、暗い将来展望ばかりだったのが、そうか、このひとたちの「ついの住処」需要が本格的に始まるんだ、という認識が出てきたのです。 そういう意味で、取材してきた住宅の建て主さんの建築動機を再度みつめなおしてみると、けっこう面白い事例が見られて楽しいんですね、これが。
写真の家は北海道川湯の硫黄山ふもとに建てられた熟年夫婦ふたりだけの家。 なんと玄関ドアには見つめ合うふたりのキスシーンを想像させるデザインが刻まれている、という楽しさ。 子どもたちも巣立って、小さい頃の原風景をいちばん感じるというこの硫黄山のふもとで、人生の夕陽の照り返しの中でふたりっきり、過ごしていきたいという家なんですね。周辺の自然が織りなす季節の移ろいが、静かに迎える日々の豊かさを演出していました。 こういうのを、そうてらいもなく出来る、という微笑ましさに、深くうなずかされたんです。
こんな家が似合うような、熟年に、わたしもなれるんだろうか? 
 はて、さて・・・。

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