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くさる家、くさらない家

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雨漏りのはなし、みんな好きみたいですね。
で、きょうはもっと深刻な建物の「くされ」です。 これ、「腐れ」と書くと、ちょっとキワすぎそうなので、オイオイ過激だ、まてまて、とちょっと自己規制。
でも写真はウソつかない、隠せない。何より雄弁。
右と左で、明らかですよね。
(グラスウールの色が違うのは製品による違いです)
左側は、築後たしか15年くらいの札幌市北区の建物。石狩湾からの風が強い場所で、建て売り住宅だったんです。 とはいっても建て売りとしては気密性能は悪くないレベルで、たしか6cm2(平米)くらいでした。
<注:気密の性能は1m2あたりの隙間の面積であらわします。6cm2というのは、初期の北方型住宅の基準値が5cm2でしたから、そう悪いとはいえないわけです。>
でも、寒〜〜かった!んだそうです。(すこし訛りいれると感じが出るんだけどなぁ〜テキストじゃ表現、こんなとこ)
家族の誰かが玄関を開けるたびに、室内から「オイ、はやくドア、閉めれヤ」と、怒鳴り声が飛んでいたほどだとか。
やっぱ、風や空気流動って、寒さを倍加させるものなんですな。
で、「断熱やりかえるべや、そうだリプランだかプリランだかって、いい雑誌あったべさ」(希望的推測)ということで、あったかい家にするべくリフォームしたんです。この写真は、そのときに土台廻りの状態をチェックするために壁をはがしたところ。
土台の木材、黒々としております。木って、水分を含めば含むほど、くされが進行していき、最終的には、まぁ土に戻っていくんですね。その過程で構造的耐久力はどんどんレベルが下がっていく。
どうしてこんなに黒くなっているのか、原因として考えられるのはまず「結露」。 これは室内の暖かい空気にふくまれる水分が、急激に冷やされる部分に集結して発生するもの。あと、もうひとつは雨漏りなど漏水によるもの。その複合というケースも多い。
ってことですが、こうして状態を確認しなきゃならないんですね。
リフォームで価格が明確に出来にくい要素は、こうした部分。
状態を確認するために開けたが、土台や構造材を取り替えるべきかどうか、まぁ大丈夫と判断してひきつづきそのまま使用するか、あるいは一部だけ取り替えるか、いろいろなケースがあって、あらかじめ、見積もり立てられないんですよ。まぁ、予測はある程度はもてるにせよ。
極端に言うと、こうやって壁を開けたときに、新築の時の手抜き実態が赤裸々に、っていう・・「オイ、どうする?」なんてことまであるんですね。リフォーム業者が新築業者の尻ぬぐいをさせられるみたいなケースもあると聞きます。
こういうの、なかなかオープンには出来にくいんです。
いっぽう右は、これは清く正しく施工されている、北海道の建築技術をしっかり勉強した青森県十和田市での例です。
築後7年目の木造住宅なんですが、まじめにきちんとした断熱・気密ぶりと、その下部に見えている土台の乾燥ぶりがくっきり。 
きちんと施工できればユーザーにとっては、なんといっても安い! 価格的なメリットが高いグラスウールの充填断熱。
より簡易だ、という主として作る側の論理優先の外断熱大流行ですが、一部にはグラスウールをきちんと施工するという基本をすっとばしたいんだ、という困った風潮も散見します。世界的にも圧倒的にグラスウールが断熱材の基本なんですけどネ〜。
こういう現場もユーザーのみなさん、しっかり見てくださいね。
断熱材を選ぶと言うよりは、やっぱ、しっかりした施工の出来るプロを選んでください。

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