きのうは、消費税のアップや建材の高騰という
最近の動向を踏まえて、家づくりユーザーへのアドバイスについて
座談会形式で取材していました。
そのなかでは、消費税アップということを、ことさらにモンスター化させて
「オオカミがやってくるぞ」と大騒ぎしている
ローコストパワービルダーの営業的口車に乗せられて
「いま、建てなければ損をする」というように
お尻に火が付いた心理に駆られている
若い世代のユーザーの様子が聞かれました。
そういう心理って、「損をしない」ために家を建てるのか
というような本末転倒ぶりを感じさせられるということ。
「どんな家に住みたいのか」というテーマこそが
本来の家づくりには不可欠なものだと思いますが、
「どうしたら、損をしない家づくりになるか」になってしまっている。
もうその考え方で、すでに「損をしている」と思える。
損をしないように、消費税が上がる前に建てなければ、と急ぐ心理が働くだけで
大局的には、家づくりにおかしな要素が入り込んでしまっている。
家は、人生の価値観を映し出すものであって、
そういった建て方では、いかにも「目先のことだけ考えて」建てた家になる。
とくに20代くらいのユーザーが、
「早く建てないと損をする」と右往左往するのは、
本当に悲しい現実といわざるを得ない。
そんなことよりも、焦らずに
いろいろな体験経験を積み重ねる中で人生の目的や価値観を積み上げ
そのための拠点としての家は、どんな家にすべきなのかと
じっくりと考え準備して欲しい。
家づくりはその地域の文化に自分自身でも関与できる貴重な機会。
わたしたち夫婦はこんなふうな暮らし方がしたいです。
と、社会に対して静かに語りかけていけるようなチャンスなのだと思うのです。
少なくとも「注文住宅」という文化は、そういった可能性がある。
そういうときに、目先に駆られた家を建てるくらいならば、
注文住宅で建てる必要はない。
そんな目先計算だけなら、建売を買った方がいいと思います。
まぁ、こういった「情報」も流さなければならないのがメディアではあるのですが、
ユーザーのみなさんは、ぜひ賢い選択をしていただきたいと
切に願う次第です。
<写真は、日本民家園の重厚なたたずまいの古民家>
Posted on 8月 3rd, 2013 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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