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北海道の省エネ住宅なう。その1

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さて、連休中からの東大工学部講義プレゼンデータ作成、講義、
さらにその交流相手先である
東大工学部・前真之准教授の来道、講演取材と一連の流れがあって、
通常の仕事も進行するし、ほかにもどっさりの課題があるのですが、
とりあえず、日々対応していくという毎日が続いておりました。
で、きのうはその締めくくりのように、北海道の先端的住宅事例2例に先生をご案内。
本日ご紹介する1件は建築家・山本亜耕さんの最新住宅。
こちらは写真のような住宅で、南面大開口によるパッシブな受熱、採光を図りながら、
同時に日射遮蔽をどう実現するのか、
また、外部からの視線制御をどうするのか、
さらには、基本的な断熱仕様では、グラスウール300mm断熱、
換気については、パッシブ換気と熱交換換気を両方実装して
同じ暮らし方で年ごとに交換してその効率と実効性を検証しようという住宅です。
まぁ、まことに盛りだくさんの試みを行っている建物ですが、
札幌版次世代住宅にエントリーしたけれど、
不採択になってしまって、これでも性能仕様はダウングレードしたのだそうです。
まぁ、この札幌版次世代については、
トップランナー基準がQ値で0.5というレベルになっていて、
現実的には窓の性能進化が著しく遅れている日本では
現状ではコスト的な制約が大きすぎる嫌いはある。
要求された性能を実現するには、開口部を極小化させるしか、
コスト的には方向がなくなるのですね。
ドイツや北欧では、窓メーカーの競争も激しく、格段にコストも下がっていて、
いわば「透明な断熱材」というようなレベル目前になっている。
この建物ではQ値で0.7に下げているのですが、
かかるコストアップに比較すると生活実感的には、意味があるとも思われません。
まぁしかし、自治体公共がそのような発表をしたことで、
日本の窓メーカーが、ある程度開発に本腰になった、という話は側聞するので
大きな意味はあったとは思いますが・・・。
この住宅での設備的な取り組みは別として、
一番面白かったのは、この南面大開口です。
で、結局日射遮蔽とかを考えていくと、京町家の伝統デザインである
タテ格子がもっとも合理的という気付きに繋がり、
その配置密度によって、それぞれの建築環境要素を実現していました。
採光から、外部視線遮断、日射遮蔽まで、
格子というのは、「木漏れ陽」という自然の見事な回答を
人工的に実現させるものなんだなぁと、改めて実感させてくれます。

前先生にも、北海道での取り組みの現在位置を
実感していただけたかなぁと思われた次第です。
さて、つぎに・・・。
<その2は明日公開します。>

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