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釧路湿原の美

きのうは朝早くに札幌を出発し、
荒天のなか、釧路近郊の鶴居までクルーで出張。
久しぶりに北海道内の住宅取材に同行しました。
ある住宅の取材撮影がメインの要件でしたが、
その後、その住宅の構造設計を題材に日本有数の木造架構研究者・増田一眞氏を
囲んでの講演会・学習会が行われ、参加しておりました。

なんですが、久しぶりの釧路出張、
ラムサール条約に登録された世界的な湿原・釧路湿原との再会。
こころが浮き立つような思いが致します。
大好きなんですね。
擦文期の遺跡とされる北斗遺跡から眺望する釧路湿原は、
こころを鷲づかみにされるような美しさなんです。
この湿原の美には、北海道の人たちよりもやはり本州地域のみなさんの方が鋭敏で
よくそのような移住者のみなさんの住宅を取材させていただきます。
住む、ということの価値観の部分で、共有できるモノを感じる。
で、きのう訪れた住宅の建て主さんもそういった方。
大空間を希望され、そのような住宅を建てられたのですが、
そこに飾られていた絵から視線が放せなくなった。
この絵は、釧路に在住の画家・小向昭一さんという方の作品で、
こちらの建て主さんが購入されたモノ。
100号という大作で、わたしは一目見て、釧路湿原の一瞬の美を表現したものと
理解させていただきました。
風景画という具象でありながら、抽象画と言っても通じそうな
空と太陽、雲と湿原、川面が織りなす、
ある一瞬の釧路湿原の放つ光彩が、見事に切り取られている。
空のダイナミックな移ろいと、川面の一瞬の光芒が
見る者の、内的なある部分を刺激してやまない。
しかもそれが100号という大画面いっぱいに叩き付けられていて
圧倒的な迫力を感じる。

こういう美に包まれて暮らしたい、という
建て主さんの思いに、深く共感を覚えます。
その土地で暮らす、ということ、
愛着を持って生きていく、ということの具体的なかたちが見えてきます。
大きな再発見をさせていただいたようで、
建て主さんと楽しく、ため息をつきながら、この絵をじっくりと鑑賞。
ご了解をいただいたので紹介させていただきました。
楽しかったです。

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