冬という季節はかわいそうなところがある。
春は早く来てくれと願うこころが多数派であり、
夏に向かって盛り上がって消えていく。
夏は気分も開放されていって、やりきれないほどの重量感で
人の心に強烈な印象をもたらして去って行く。
そして秋はさわやかにやってきて、もの悲しく去って行く。
冬はいつも歓迎されずにやってきて、
もっとひどいのは去り際にもノスタルジーが感じられないこと。
同じく厳しい季節だけれど、夏には「去って行く夏」をいとおしむロマンがある。
しかし冬にはそのような去り際の美のようなものがない。
北国ではこの季節、雪融けがどんどんと進んでいく。
それは「早春」という季節感ではあっても「冬の終わり」ではない。
ことしは1月は比較的に札幌にいる場合が多かったけれど
2月からは本州地区と札幌を往復しています。
そんなこともあって、札幌での季節感の印象が薄い。
ゆきまつり時期にはもっとも厳しい寒波、というアナウンスがあったけれど、
その時期はずっと本州にいたので実感がない。
積雪も平年値と比べて約1/3程度に推移してきています。
とくにゆきまつり以降、ほとんど寒波が来ていないし、
大雪も全くなかったようです。
事務所を移転しての初めての冬でしたが、
雪に関してはまったく拍子抜けするような冬だったと思います。
3月になっても「まだ、これからドカッとくる」という不安会話が
北海道人のお互いを戒める警句なのですが、
さすがにここまで来るとオオカミ少年気味になってくる(笑)。
ということで、わが家事務所前の道路上の岩盤雪も
徐々に勢力が後退してきて、時折帰ってきての雪割り程度で
現在状況はごらんのような後退ぶり。
ひとつながりだった氷河期の日本列島がだんだんと海進して
まるで津軽海峡のように陸地が分断されるようになる。
そうなるようにせっせと雪割りするのですが、
こうすれば省エネで雪融けが進むという北国人の知恵。
かわいそうなんですが、わたしも春の味方で
一生懸命に冬を追い出そうと頑張っております(笑)。
Posted on 3月 18th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究
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