表題のようなことについていったいどう表記したらいいか、
たぶんあんまり日本語の語彙にないかもしれない。
現代住宅ではクルマと家のカギはほぼ必須のアイテム。
もし万一場所を忘れたら、一大パニックになることは必定。
の割には、その設置場所というのは住宅設計的には考えられない典型。
わたしもたくさんの住宅図面を見てきたけれど、
こういった「仮置き」場所について表記された図面は見たことがない。
個人情報のもっとも機微に属することであり、
住宅の設計プランであっても、打ち合わせするということには馴染まないかもしれない。
しかし、住宅利用のいちばんキースペースであるかも知れない。
防犯上のこともあるから、あんまり「似合った場所」を作ると
それこそ泥棒サンにわざわざ秘密を開示することにもなりかねない。
そこは「あうんの呼吸」で、なんとなく想定していくか、
施主さん本人に任せるというのが一般的でしょう。
たぶん一番多いのは、玄関脇の靴収納まわり、その上部平面が似つかわしい。
ただ、その家によって大きく違うだろうし、
また、夫婦家族それぞれでも大きく違いがあると思われます。
個人主義・核家族という考え方が社会に深く浸透して
こういうカギの類との「付き合い方」が、不可分な暮らし要素になりましたが、
必ずしもこういう暮らし方が人類ネイティブというわけではない。
カギとか錠前というようなものは、普通の人間が扱うようになったのは、
たぶんここ100年くらいのことでしょう。
DNA的に浸透していくような生活行動にはなっていない。
クルマのカギは近年急速に「電子化」してきて、
あの電子カギは電池で動いているシロモノなので、
道路の真ん中で立ち往生しているクルマがいたりするようになった。
緊急時にはアナログ操作可能なように考えているとはいえ、
そのことを常識として知っている人間は案外少ない。
家のカギについても、たとえばSECOMなどのロックの場合には、
どんどん電子化が進んでいる。そうしたことでのトラブルというのも
あり得るのでしょうね。
こういう中途半端な、まだ完全に機能定着していない、
人間生活の動と静の接点のような部分についての生活と住宅の進化も
オモシロい分野かも知れないなと妄想を働かせていました。
Posted on 1月 24th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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