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【雪国での北方向眺望の反射光効果】

きのうは新住協関西支部のみなさんが札幌見学に来られました。
合わせたように東大の前真之准教授と自立循環のメンバーのみなさんも
同時に来札され、住宅見学に同行されました。
で、主に地元の高性能住宅ビルダー・棟晶さんの見学終了後、
ススキノで懇親会を行った後、なんと夜8時過ぎに
前さん一行を南幌町モデル住宅群視察にご案内しておりました。
幸い、みなさんの日頃の行いよろしく、天候が平穏に推移したので
無事、強行日程をこなすことができました。まぁこの時期としては奇跡的(笑)。
この見学の内容については、折に触れてご案内していきますが、
本日は、1件目の棟晶さんの既築住宅の様子。
こちらは、札幌市の西部地域に建っているのですが、
その2階リビングからの眺望であります。

札幌という街は京都の反対の都市計画で知られています。
基本は碁盤の目状の街割りで、整然としているのでわかりやすい。
京都の人はたぶん札幌に来ても違和感がないだろうと思います。
ところが、この街割りは「南北方向」が真反対なのです。
京都は北を山地が守っていて、南方向に向かって街が展開していく。
しかし札幌は、南方向が山地が閉ざしていて北方向に向かって開いて行く。
守護する「北海道神宮」も、北に向かって開いているのです。
アジア的な都市計画概念、「風水」からするときわめて異常な街割り形状。
たぶん、地理的な要因から導かれた都市計画なのでしょうが、
札幌という街が計画された起点的動機として、
対ロシアの国防戦略が色濃かったのではないかと思われます。
国土防衛の最前線として、いわば日本民族の意思を明確にしたのではないか。
「迎え撃つ」というような国家意志が体現されたように感じます。
で、結果として風水にまったく逆行して真反対になった。
この写真のように、札幌の街全体が南を背にして北をにらんでいる。

そうすると、冬期積雪の結果として南からの太陽光が雪原に反射して
得も言われぬ美観を見せてくれるようになる。
ちょうど京都の庭園でもっとも優れた美観を見せる
「北側眺望」が、このような高台からは自然に得られるようになる。
「1週間で飽きましたけど(笑)」と建て主さんは笑っていましたが、
北側眺望のこの時期らしい美しさにしばし感嘆しておりました。
まぁ京都の庭園群は「幽玄」な美観、こっちは突き抜けたような光の美
って言うような違いはあるように思うのですが、
長年見てきた視覚体験が再度呼び覚まされるような思いがした次第です。

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