既報の通り、きのう東京大学工学部の前真之准教授の授業で
わたしと建築家の山本亜耕さんとで、WEB利用で参加させていただきました。
テーマが北海道のエネルギー危機についてだったので、
実体験をベースにして、なにが起こって、どういうことが経験知になったのか、
これからどうしようと考えているのか、を語りコトバで伝えました。
こういうWEB授業というのは、環境構築がけっこうセンシティブ。
わが社の場合、WEBブラウザ経由で特定のソフトを使って、
マイクや動画カメラなども独自に環境構築して行っていますが、
前先生の東大側の環境もよくわからないし、こちらの環境を押しつけるのは
ヘンだし、これはこれで相互理解・環境構築はたいへんメンドイ。
ということで、前先生の方から申し入れられたLINEの動画会話機能で
コミュニケーションすることにしました。で、山本亜耕さんから
「LINEは使ったことがないんだけど、どうすんの?」というヘルプミーコール。
これは、説明を電話でしていたら、たぶん時間に間に合わない。
「・・・じゃ、こっち来てみて」という展開になりました。
LINEにはMacでの環境もあるので、当方ではMacのカメラと音声入出力を利用。
それを事務所のスクリーンに映写して臨時的WEB授業環境実現です。
東大側ではどうやら、ずっとスマホのLINE接続でやっていました。
こういう環境ではなんといっても「音声」がいちばん悩ましいのですが、
こちらは広さ的には10坪20畳程度のスペースなので出力側は問題はない。
一方の東大教室はたぶん100人スパンくらいの教室スペースなので、
音響が拡散気味でやや聞き取りづらいところがある。
ときどき聞き返すシーンもありましたが、まぁ急遽の環境構築と考えれば、
基本的な相互コミュニケーションは十分にできました。
肝心の中身については、最後、4名ほどの学生さんと対話もできて、
それぞれの興味・疑問点について意見交換も出来ました。
山本さんとの事前打ち合わせのときに、送られてきた学生さんたちの
北海道エネルギー危機へのさまざまな「提案」レポートが話題でしたが、
そのなかに「どうしてこんな厳しい気候条件の北海道に住み続けるの?」
というまことに直球ストレートな「疑問」が書かれていて、
「これきっと、前先生の日頃の危惧と関連してるのでは(笑)」と笑っていましたが、
案の上、最後の質問者からこの質問が出てきていた。
学生さんというのはこれから人生を選択するワケで、そうしたみなさんにとって
「どこに住んでどう仕事してどう生きるか」は未来選択に属している。
わたしたちのように、このことが自明で選択済みの人間とは乖離感がある。
で、山本さんからはきわめて常識的な返答がありましたが、
わたしはちょっと踏み込んだお答えをさせていただきました。
日本社会が気候条件がきびしい北海道まで基本インフラを維持することが
今後は難しくなるというのであれば、北海道はより遠心的独立的になることに
北海道民のひとりとして、ニュートラルな考えを持っています、と。
少なくともより温暖なニッポンのどこかに移住するという選択肢はない。
ただもしそうなったら、中国やロシアは大喜びするでしょうね(笑)とも話しました。
しかし、今回の北海道エネルギー危機はどうやらこういう議論まで誘発する
まことに根源的な部分まで孕んだものとも言えますね。
Posted on 10月 10th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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