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【現代技術と伝統建築。熊本城復興工事2年】

1年前ということが信じられないくらい過去のような気がするのですが、
昨年8月には九州、熊本に取材ツアーで行っていました。
日本建築学会・前会長の吉野博先生に同行させていただいて、
貴重な復元工事の視察機会を得た次第。
まだ、熊本城は被災からの復興途上にあり、
観光などにも公開はされていないだろうと思いますが、
きのう、なぜか娘から突然SNSで熊本城の写真が送られてきた。
「あれ、急に熊本にでも行ったのか・・・ありえねぇ」
と思っていたら、友人関係からのリツイート拡散のようで、
誰からの情報なのかもわからない様子でした。
インターネットで調べたら、「見せる復興」ということで
熊本城はその復元工事状況を一部は公開しているようですね。
しかし念のため、写真については案内地図のみにしておきます。

熊本城は広大な面積を誇っていて、約98ヘクタール(約98万m2)、
周囲は約5.3kmという巨大城郭であります。
この面積全体で2016年の地震では地盤面が20cm沈下したのだという。
なので、石垣などの崩壊が各所で発生しており、
いわゆる「復元」は完全には不可能だろうと言われています。
復元工事の担当者から聞いた情報では、
第一、どの時点へのカムバックが完全復元であるか、
その措定自体が気の遠くなるような作業になるし、そこから実際に復元工事するには
大土木工事が避けられず、予算なども考えれば不可能。
・・・というような説明を受けてから1年。
出回っている写真では、メカメカ風のトランスフォームをイメージさせる。
なんかゴジラがメカゴジラになったみたいな(笑)。
それともこれから変身して動き回るぞ、みたいな妄想も起こってくる(笑)。
世界に冠たる地震大国にして歴史蓄積も多く、
一方で近代化現代化工業技術においても世界最先端技術を持つ
ニッポンでしか現出しないような光景でした。
こういう建築を可能な限りに厳密なカタチで復元させようというメンタリティも
日本社会らしい営為であるのかも知れない。
そういえば、東日本大震災の津波で完全に近く破壊された陸前高田で
周辺の山を切り崩して長大なベルトコンベアで土砂を
旧市街地地区に輸送させる巨大装置を目のあたりにしましたが、
それこそハリウッドあたりのSFものの画像ネタとしても秀逸ではと感じていました。
そういう意味では、逆転の発想ですが、
やはりこういった現代技術と伝統建築というような対比の意味で
可能な範囲では、公開していくという姿勢が正解なのではないかと思います。
札幌でも冬期間の「除雪風景」〜大型除雪ブルによる集中排雪作業が、
アジア圏からの観光客に話題騒然だということも知られている。
時空超越の不思議の国ニッポンに萌えるという部分があるんでしょうね(笑)。

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