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【高温蒸暑条件下での冷房結露水の行方】

写真は今回出張で宿泊した秋田のホテルの玄関自動ドアの様子。
いままっ盛りの盛夏ということで、連日35度超の酷暑が続いている各地では
こういった結露の様子がごく一般的なのだろうと思います。
北海道ではこの夏はけっこうさわやかな涼感気候が続いており、
たまにこういった光景を見て、やや驚いた次第です。
どうも本州以南ではこちらのような状況が続いているのだろうと。

で、目にも明らかな「結露」状況であります。
北海道・寒冷地で「結露」といえば外気温が低下して、室内側の
湿度が外気と接する外壁側や窓ガラスなどの部位で、
露点を超えて、水分として結果するようになり、
それがやがて室内のカビなどを誘発する原因になって被害をもたらす。
季節要因としては冬に発生するというのが常識なのですが、
写真で見る限り、明確な「夏型結露」が発生している。
北海道では寒さのせいで結露が発生するけれど、
蒸暑気候の本州地域では、こういう冷房必須の時期にも発生する。
外気温が夜になっても30度近い場合、
室内を冷房していくと、露点を超えてしまうのですね。
で、このような結露水は、室内にどのように被害を蓄積していくのか、
やはり一番考えられるのは、ジメジメした空気環境や衣類などに
カビを発生させるのは容易に想像できる。
やはり冷房の温度設定は、この露点を良く考えて、
ほどほどの温度設定にしなければならないでしょう。
しかし露点温度というのは、気象庁も発表してはくれない。
この露点温度は、真夏になってくると20度とか、25度を超えるというのも
常態としてあるのだということです。
こちらの写真はホテルなので特殊なケースではある。
「来客がいっぺんに快適感を味わえるように」ガンガン冷房温度を下げている。
そういった条件下での夏型結露ですが、
住宅レベルでも、内外温度差と露点温度の変化によって
長期的には、注意が必要になってくるのだろうと思われます。
たぶん住宅のというより以上に、人間の健康面でのことが危惧される。

この時期に本州地域を旅すると、
エアコンと都市アスファルト・コンクリートの熱往来について
いろいろ気付かされることも多くあります。
エアコンってようするに「熱交換」なので、室内で冷房すると言うことは、
一方で外気に熱を放出していることになる。
その熱が都市のコンクリート環境に「蓄熱」されて輻射を倍増させる。
このような都市的熱サイクルに対して、緑がそれを緩和させてきたのでしょうが、
そういう緩和装置の総量が相対的にレベル低下して
「暑さを倍加」させている、そんな印象を持っております。
ニッポンの蒸暑について、もっと社会システムとして対応を考えていく必要がある、
北の国からの一時的訪問者・エトランゼとしていつも感じている次第です。

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