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【ニッポンPOPアート炸裂の大阪・道頓堀空間】

年末の旅路3日目であります。
きのうは今回の大きな目的だった「聴竹居」を取材見学してきました。
これは昭和初期の建築家・藤井厚二が建てた自邸。
よく日本の環境建築の萌芽的事例として紹介されている建築です。
わたしどもとしては、今年いろいろな経緯のあった、
「環境建築」をめぐっての北と南との意見交換の一環として
この建築の取材が欠かせないと判断して、取材してきた次第です。
天皇ご夫妻も訪れられたというこの建築について、
今後、誌面などでテーマ構成していきたいと考えています。
追って、徐々に触れていきたいと思います。

で、その後は大阪に移動しておりました。
2日間は京都文化に触れていたのですが、
一転して、対照的な大阪、それもコテコテのなんば、道頓堀です。
昔、いまから45年前くらいに大阪にいた兄を訪ねて
母親と旅したときがあり、そのときに道頓堀・くいだおれで
食事した経験がある。
そのときのことがいつも去来する、ある原体験のようで、
今回、家族とともにその空間に身を置いてみたくなったのです。
あの当時にも、道頓堀をはさんでグリコの看板はあったのかどうか、
記憶は定かではないのですが、なんでも1935年には装置されていたそうで、
もうすでに80年の歴史的POPアートだといえるでしょう。
今この地を再訪してみると、その圧倒的劇的空間がさらに拡大している。
12月28日という御用納めの夜と言うこともあってか、
たどりついた瞬間から、ニッポンPOPアートの雰囲気が充満している。

道頓堀をはさんで両眼でちょうど、「仮面女子」という
インディーズ女性アイドルとして日本初のオリコン一位、
さいたまスーパーアリーナ単独ライブ15000人動員を達成したという
「最強の地下アイドル」が、路上ライブを行っていた現場に遭遇した。
なんとも異常な劇空間ぶりであります(笑)。
わが家の息子はすっかりグリコのランナーポーズを繰り返すし、
大音量でのライブステージ、それを応援する追っかけのひとたちの歓声など、
まさにニッポンPOPアートの最前線を感じさせてくれる。
街を行き交うひとたちも多国籍空間化していて、
この日本が誇る空間パワーが不思議な魅力で世界に訴求しているさまが
まざまざと体感できました。
というなかでしたが、久しぶりに訪れたので、勝手が分からず、
なんと、この仮面女子さんたちのステージの後ろ、彼女たちの後ろを
場違いな通行人として横断せざるを得なかった。
一瞬のとまどいはありながらも、躊躇なく通り過ぎていましたが、
どうもこの劇的空間性への参加気分が高まっていたものと思えます(笑)。

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