断熱技術の進化発展ともっとも相関的に変わってきたのが暖房方式。
現代では、空気を暖めるエアコンが本州以南地域では主流で、
北海道では熱源はさまざまだけれど、
室内に温水式のパネルヒーターを設置する輻射熱タイプが多い。
エアコンは、なんといっても簡便でコストが低廉なのが魅力だけれど、
暖房の「品質」ということで考えれば、
輻射熱タイプには一歩譲るというのが現状の実態でしょう。
パネルとその設置コストが割高ではあるけれど、
じんわりとカラダの芯から温まってくる輻射の熱のここちよさは捨てがたい。
先日のジャパンホームショーでは、太陽熱給湯で
暖房用の温水を作って、それで暖房も賄うという方式も出てきていた。
また、どんな熱源でも構わないから、
床下ピットに加温装置を設置して、そこに新鮮外気を導入して加温して
その加温空気の自然上昇を利用して家中を暖房する
パッシブ換気・暖房も北海道ではかなり普及している。
この場合には、そもそも見えるところに「暖房装置」がなくなっている。
人類は長く、裸の火を囲炉裏で炊くという形式の暖房を行ってきた。
欧米ではストーブというやや、輻射の概念ももった暖房に移行したけれど、
日本では、ずっとこういった形式がとられてきた。
わたしが、住宅雑誌を作って取材し始めてからでも、
当初のFF式石油ストーブから、温水式セントラルヒーティングへと変遷し、
やがてオール電化での「蓄熱暖房器」が一世を風靡した。
余り利用されない深夜電力利用という側面もあって、
社会的にロスが少ない選択と思われたけれど、
その後の「電気ナマ炊き」批判もあって、いまはさすがに廃れている。
という状況の中、北海道でも暖房にはこれといった決定打が出ていない。
エアコンでの暖房でも可能なほどに住宅性能は上がってきたけれど、
その暖房品質については、快適性の点で2重◎とまではいかない。
まぁ、そういった状況がまだしばらくは続きそうな気配であります。
一昨日の大雪がサッパリ融けないまま、
表面がツルツルの路面になっております、札幌地方。
ちょっとしばらくは早すぎる冬が居座りそうな感じですね。
Posted on 11月 8th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅性能・設備
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