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【東京虎ノ門の道路が、魅惑の回転レストランに?】

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きのう書いた「リノベーションまちづくりサミット」での習作コンペ、
その最優秀作品のご紹介です。
わたしがこのリノベーションまちづくりなどの動きの中で注目している、
宮部浩幸・近畿大学准教授が参加したグループ
(ほかに三浦丈典、吉野智和、岸本千佳、瀬川翠さん)による提案です。
主要機能は地中トンネルに移行された東京虎ノ門の街路の活性化プラン。
実際に2020年オリンピックに向けて
東京ではさまざまな都市再開発プランが進行していますが
この地区でも街路の再開発が行われて、前述のようになっている。
ところが、現状ではほとんど活用されない自動車道路と自転車道が
漫然と配置されているということ。
都市計画としても拙速で現状では周辺のオフィスビル群の
ランチ需要にも対応できていない状況なんだとか。
短い検討時間ながら、現地に足を運んで豊富に写真も撮ってきている。
周辺のビル群も、この街路に対して閉鎖的な表情になっている現状。
この街区に対して、「リノベーションまちづくり」をプランするのがお題。
それに対して、5人のメンバーで5時間の時間内で
まとめ上げたプランが、写真の「TOKYO JACK PARADE」というもの。

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現状のムダな道路配置、都市計画に対して
「本当に必要なのは、正しい道ではなく、楽しい道」というテーマを対置。
長さ150m、幅60mほどの道路としての使われていない自転車道を
時速3kmほどのゆっくりとした速度で歩きながら
さまざまなコンテンツがパレードする街区にするというプラン。
一種の公園化ではあるのですが、道路利用とも言える。
その道の上で、さまざまな展示がパレードのように回転してくる
というかなり奇想天外なアイデア。
周辺ビル群側から見れば、さまざまな屋外催事が出前してくる感覚。
日本の伝統的なまつりパレードの現代版とも言えるし、
現代的な建築的街区が、現代的な祭りを生むとも言える。
この上では、一般的なランチ需要対応の移動販売もいいだろうし、
虎ノ門という街に欠けている土日の賑わいも創出可能なインパクト。
それ以上にあらたな文化現象を生む可能性も感じさせてくれる。
江戸が生みだした歌舞伎や遊郭といった都市文化の
あらたなプラットホームという可能性もこれには感じられる。
まさに「リノベーションまちづくり」というコンセプトが強く漂ってきます。
審査も、まさにダントツという雰囲気で最優秀賞に選ばれた次第。
さらに会場には、周辺ビルのオーナー企業である森ビル関係者も
来場していたので、さっそくその場がプレゼン提案になっていた(笑)。
いま、企業側でもこのような動きに敏感になって来ている現実がある。

こうした提案が、数時間で一定のわかりやすいプレゼンに仕上がる、
そういった鋭敏なセンスや、ツボを押さえる感覚など、
たいへん楽しく気付きにつながったイベントだったと思います。
こういう新しい風をどのようにとらえていくか、面白くなってきます(笑)。

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