今回の出張は「リノベーションまちづくりサミット」イベント取材がメイン。
1週間やっているというイベントですが、
土曜日に実践演習のような企画があったので、いちばんわかりやすそうと
そこにポイントを置いて取材に来た次第です。
わたしどもは住宅が基本フィールドで、雑誌や情報の仕事をしています。
そういう流れの中で、7〜8年前に「北海道R住宅」という
公民連携的な住宅事業システム革新になったプロジェクトに
事業構築の段階から参加することが出来ました。
北海道から委託を受けた委員として、仕組み作りから実践まで関わった。
これは北海道建設部建築指導課が、これまでの「住宅リフォーム」を
一歩進めより高い住宅性能に引き上げるタイプの住宅リフォームに
業界構造自体を持って行く方法を実践開発する事業。
結果として「北海道R住宅」という地域住宅基準が出来上がり、
そこに「長期優良住宅」補助金を獲得できた結果、
数百規模の性能向上タイプのリフォーム事例が実現できた。
その仕組みの検討過程で「東京R不動産」という動きが興味を示してきて
名前も似ているけれど東京でも、どうも違う動きが出てきているようだと
なんとなく認識していた次第です。
北海道では住宅建築の社会システムの更新変化が実現したのですが、
東京ではむしろ社会的な革新、地域リノベーションに方向が向かった。
その後、断片的に「リノベーションまちづくり」という動きについて
ずっと注目し続けてきていました。
幾度かそういう動きを取材もしたけれど、どうもピントが合わなかった。
こういった動きについて、出版などもされてきたけれど、
やはり実際の中身に触れてみるには、体感するのがいちばんと、
今回のこのイベントを取材体験して見た次第です。
で、わたしの感じたままに表現すると、
これは既存の都市構造に対して、地域経営的視点まで踏み込んだ
「リノベーション」計画で、それを革新させる「まちづくり」提案なのだと。
取材した「ユニットマスターたちのリノベーションスクール」では
具体的テーマに即して検討した上での「プレゼン」が発表されていた。
東京都内で実際に計画され、検討されている「まちづくり」計画に対して
数時間という制約の中で、幾人かのメンバーの共同作業として
ある「事業計画プラン」を立案し、発表するという魅力的なプレゼン。
テーマは3つ与えられ、それぞれが現実の都内での計画もあるもので、
それに対して、具体的な提案がなされていた次第。
その検討と発表のプロセスを見ていると、ノリがうらやましいほどに若々しい。
プレゼンの手法などは、わたしが属する広告の世界とまったく同じ。
言い方を変えれば、解決すべきテーマについてその問題点を衆知を集めて
絞り込み、解決のためのシーズを見つけ出し、
アイデアをみんなで出し合って、合理的な解決策を紡ぎ出していく営為。
こういう開発された手法を採用しながら、
あたらなまちづくりが実際にも実現されてきている。
たいへん興味深く面白い、それこそ「建設的」な動きだと共感を
深く持てた取材でした。
あした以降、具体的な個別のリノベーションプランを解剖して
まとめてみながら、わたし自身、考えを深めていきたいと思います。
Posted on 5月 30th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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