日本中を歩き続けてきて
だんだん、北海道だけの視点ではなくなってくるのだけれど、
住宅性能の面でも、
国交省などが、基準や政策的にある方向性を定めて
住宅の関連業界を引っ張っていきはじめてきている。
そういう意味では、むしろこれから興味深いのは温暖地の住宅が
どのように変化していくか、ということのように思う。
きのうも書いたけれど、
「環境建築」ということを考えていったときに
やはり断熱という基本技術が、空気のように実感できている
そのことを空間イメージで明確に把握できているかどうか、
ということが、一番大きなポイントになってくるのだろうと思います。
その上で、住宅設計に於いて、多様な現代人の建築への夢が、
どんなふうに実現していくのか、ということなのだろうと思う次第。
で、温暖地域の建築は庇や軒の出をふくめて
「屋根の建築」デザインが主流なんだろうな、という思いでいます。
日射とどう付き合っていくか、ということが一番大きなポイント。
日射を遮蔽することで、いろいろ深みのあるデザインが
実現できてきたことが、日本の古民家を見ればわかる。
写真は、沖縄の「中村家住宅」です。
いろいろ見てきたけれど、やはりこの家はいい。
この家は、きわめて特徴的でありながら、
そのたたずまいはあくまでも自然との調和に満ちている。
ことしは沖縄にいる間、2回も見学してしまった。
赤瓦の屋根が葺き下りてくる空間から、内的な外と、内部空間が
融通無碍に連続していて、
そういった自由な内外空間が、屋根によってまとめられているような印象。
沖縄なので、どのように「日射との対話」を創るか、
というのがテーマなのだと思われます。
極論すれば、セラミック製の屋根が人間を守っているだけで、
それ以外の、間取りなどはあんまり意味を持っていないようにも思える。
そしてこういう空間にひどく惹かれてたまらない。
来週は、「蓄熱」についてのシンポジウムを取材してきます。
どうも沖縄の家は、屋根に積極的に蓄熱させているように
思われてなりません。
さて、どんなふうな論議が展開されるのか、楽しみです。
Posted on 10月 18th, 2013 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話, 古民家シリーズ
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