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出雲への思い

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北海道から山陰地方というのは、本当に遠く感じます。
山陽地方というのは、仕事でもなんとか機会があり得るけれど、
目的性を持って行くケースというのは、山陰はほとんど考えられない。
日本全体でもそのような受け止め方が多いそうで、最近では
「島根か鳥取か分からないけどそこら辺に行きました。」
そんな突き抜けた自虐文句で売るチョコパイの土産が、
島根県でじわりと人気を呼んでいる。
紹介役はアニメ「秘密結社 鷹(たか)の爪」のキャラクター「吉田くん」。
島根県の旧吉田村(現雲南市)出身という設定で、
自虐ネタで島根を売り込んできた。

っていうようなことなんだそうです。
が、やはり出雲は行ってみて、その雰囲気に独特な癒やしを感じました。
去年、60年以上生きてきてはじめて行けたのですが
それも出雲縁結び空港に直接ではなく、
広島の方での仕事の帰りにようやく念願を果たせたのです。
神社好きとしては、やはり出雲大社というのは格別であって
その拝礼の仕方からして、2礼4拍手であるという
ほかの神社と違っているというあたりからぞっこんにさせられる(笑)。
そして出雲大社本殿には、天皇も許可なく立ち入ることができない。
というお話を伺って、驚愕の念が強まる。
そもそも本殿は、古代の創建時において60mを超える高さの建築で
木造の常識を遙かに超える規模であったこと。
なんども倒れたようだけれど、その都度建て替え続けてきたこと。
代々の神主さんが「千家」という「国造」の家系であること。
っていうことは、利休さんって、家系なのかという素朴な疑問。
出雲の阿国は、この本殿建て替えの費用捻出のための「勧進」として
「かぶき踊り」を創始したということ。
神楽殿には、日本中の神さまを迎えるためなのか、
日本一の大注連縄が鎮座している。
日本中が「神無月」のときに出雲は「神在月」になることなどなど、
いかにも歴史の由縁の古さを強く感じさせるけれど、
さりとて、ここは日本かどうか、という意味では
ちょっとエキゾチックな、権力が真空化しているような不思議さがただよう。
ことしは、出雲の神さま、60年に一度の式年遷宮ということで
このあたりも、20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮以上の格式を感じさせられる。
まぁ、去年行ったときには
ちょうど神さまは本殿から仮殿に移られていたワケですが、
それでもあけぼのの中、写真のような本殿のお姿を遠望させていただいて
いかにも「国のまほろば」を強く感じた次第です。
神話の世界での「国譲り」ということはいったいどのような歴史的経緯だったのか、
その生々しさを追体験したい,というような気持ちも盛り上がります。

歴史好きには、たまらない魅力をたたえたまま、
強い磁場性を放って存在し続けている出雲。
その不可思議さに、ずっとこころが離れがたくなっております。
それが「縁結び」の神さまたる由縁なのでしょうか?
もう一度、ゆっくりと訪ねてみたいと念願しております。

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