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仙台メディアテーク、場の力。

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きのうは仙台でJIA東北支部主催による
「震災復興シンポジウム2013」が開かれて、取材して参りました。
会場は仙台メディアテーク。
いつも思うのですが仙台ではこの会場が、いわば「常打ち」的に使われて
場としてのメッセージパワーも持っているので、
わかりやすくその中身のメッセージが多くの参加者にも伝わってくる。
そういった「話題性」という意味でも、公共的施設にこのような
惹き付ける力があると言うことは、得がたいことなのだと思います。
これは、伊東豊雄さんの場のデザイン力、ということも大きいけれど、
それ以上に、仙台市の持ち物である、という公益性が大きい。
わたしは基本的にガラスだけで覆われたような建築は好きではないのですが、
このメディアテークでは、その前面に仙台を象徴するケヤキ並木があり、
それとの親和性が非常に意識される立地のなかで、
このガラスファサードの意味合いは、やはりいいなぁと思ってしまいます。
ケヤキ並木がいわば壁を提供しているので、
適度に夏場の日射の遮蔽や、冬には落葉した枝越しに日射も得られることが、
巧まずして、自然利用的な効果をもたらしていると思います。
もちろん、絵としてのケヤキ並木はそのままでも、
場にいる人間たちに、ある懐かしさや、仙台らしさを伝えてもくれている。
ただ、年間での暖冷房用エネルギーはどれくらいなのか、
そこのところは、詳らかではありませんが・・・。
それと周辺駐車場の比較的安さ(1日上限1200円)もあって、クルマでのアクセスもいい。
こういう立地と場としての魅力という両方の意味から、
たとえば札幌と比較して、格段に違いがある。
まぁ、東京でもこういう性格を持った施設はなかなかないけれど、
札幌の現在の「人が集まってなにかをみんなで取り組む」という場の少なさを考えたとき、
その「構想力」の無さに愕然としてしまいます。
札幌にも北大植物園という公共資産があり、
それとの親和性を、立地的には満たしている施設があるのですが、
場としてのデザイン力は到底及ばず、現実にメッセージ性はまったく欠けている。
何度行っても、名前すらまだ覚えないほど、場に力がない。

これは、北大植物園とケヤキ並木の性格の違いにもよるのか。
都市の魅力の再生利用として考えたときに、
札幌の場合は、時計台とか植物園とか、赤煉瓦庁舎などのモノはあるけれど、
それを活かそうとするグランドデザインが決定的に欠けていると思える。

きのうのイベントとは話が全然違う内容のブログで恐縮です(笑)。
なお、「震災復興シンポジウム2013」については、
明日のブログでご紹介していきます。
何回かに分けて掲載するのではないかと思います。どうぞよろしく。
あ、写真は、全くの無関係です。
先日行ってきた「北総研」建築でわたしの好きな場所、
春の雪解け水を屋根から落とす「樋」の様子。

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