先週末の過ごし方で首都圏地域では湘南海岸へのラッシュが報道された。
ふつうに考えて家の中に閉じこもり続けていてストレスが溜まる。
子どもたちと「密を避ける」行動としてクルマで「自然に親しむ」という
志向が多くのみなさんに行動欲求を起こさせたことは想像に難くない。
その志向性がフライングして、サーフィン仲間が大量集結したりして
「自然の中での密」を生み出したことで批判を呼んでしまった。
きのうの土曜日には一転して、湘南海岸は静寂に包まれたとの報道。
これまで「どうして早く緊急事態宣言しないのか」と煽る風潮があったけれど、
それって「休みになる=遊べる」ということへの「期待」だったのかと
その底意について大きな疑問も生み出したかも知れない。
底堅い「行動原理」に基づいているならばそう安直にブレーキは掛からないだろう。
翌週一気に終息したと言うことは、刹那的動機だったことが明らか。
そういう単純な「ストレス発散」では危機対応できないことが理解された。
もっともパチンコは相当「依存症」的な消費欲求が存在することも見える。
どんなに社会的抑制要求があっても抑止されない層が実存する。
期せずして生起した「社会収縮」のなかで現代消費のトレンドが試される。
ひとびとの「行動変容」が具体的にどのように推移するのか。
一方で、大型インテリアショップなどの繁盛ぶりが報道されている。
これはこれで「密」を生み出すという危惧も言われているけれど、
こと「消費」動向という意味合いからは非常に興味深い。
テレワークなどが推奨される社会的背景があって、
家の中でのあらたな「消費欲求」が生まれてきていることが明らか。
わが社スタッフからも、まずは座る椅子の「作業快適性」への気付きがあった。
テレワークが長期化することで家の中での「空間仕切り」が不可欠になり、
期せずして「インテリア」的解決が当面のテーマとして浮上した可能性。
日本人は「カタチから入る」面も強いので「テレワーク映え」ということも、
消費の動機になってくる可能性も高いのではないか。
場合によっては社内会議ばかりではなく社外の人とも話すことが増える。
いわばプレゼン装置としての「テレワーク映え」はビジネス要素にもなる。
またこのことは、家の設計面でも「どこでテレワークするか」という
機能面からも長期的な変化を促す要因にもなってくる。
これからの住宅設計では、そういった空間への配慮が欠かせなくなると思う。
また同時にそういう機能性空間とはまったく別にいわば
「わが家らしさの実質」としての「不要不急」の価値も見直されていくだろう。
機能性を超えたわが家らしさとはなにか、も重要なテーマ。
緊急的に試行して見たテレワークが案外「案ずるよりも産むは易し」との気付きから
東京一極集中的な「過密」需要が淘汰される可能性も言われ始めた。
ただし通信データ量が4割以上増加したということなので、
そのインフラへの圧力がどのような推移になっていくのかは要注目。
たぶんこの「巣ごもり期間」は
あたらしい日本人のライフスタイル変化の揺りかごになる予感が強い。
どうも「住む」こと総体の環境変化が再起動したのでは?
<写真は時計台の「裏側」方向ショットです。>
Posted on 4月 26th, 2020 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅性能・設備
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