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【日本建築の基本「掘立」 in 北海道神宮西鳥居】


朝、目が覚めたら新潟山形で大きな地震のニュース。
昨日は会食があってお酒が入り、その後就寝していたので
まったく気付きませんでした。現地のみなさんのご無事を祈念します。

本日朝、先週末から東北に出張で帰ってきて北海道神宮に帰参。
で、いつものように駐車場にクルマを止めて境内に入ろうとして
ふと、なにか雰囲気の違いを感じた。
そうなんです、あちこちに工事看板や遮蔽囲いなどがあって、
見上げたら、なんと鳥居が新築工事中のようなのです。
北海道神宮にはかねてから神域入り口北向きに大鳥居があり、
そのほか南側、東側にも鳥居がある。
まぁ、北1条通りには2箇所大鳥居が別にありますが、
この「西側」にはこれまでなかったのであります。
工事標識を見ると6.18から「夜間通行止め」と表示されていたので
ひょっとすると、きのう工事が行われて立ち上げられたのかも。
そうすると、この鳥居はまだ立ち上がったばかりの可能性。
鳥居という建築は、
「神社の入口に立てる門。普通のは二本の柱の上に笠木(かさぎ)
(=柱の間隔より長い横木)を渡し、
その下に貫(ぬき)(=柱をつなぐ横木)を入れる。」
というものですが、このいまの状態で言うと笠木は乗っているけれど、
まだ「貫」が入れられていない状態のようです。
よく見ると左の柱に上部に縦長の穴が見えているので、
ここに貫が貫通するのではないかと想像できる。
掘立建築は日本建築の基本だと思っています。
三内丸山遺跡の6本柱の掘立からはじまって、神社建築に遺構が残る。
で、上の記述では地面から上のことだけしか記述がありませんが、
本当は柱を支持する地中埋没部分が肝要。
ということで2枚目の写真であります。
この北海道神宮は日本でも最新の大社ということで
建築としてはこだわりなく鉄製で構造が構成されている。
見た感じでは1m程度地盤面を掘り下げて、そこにコンクリート路盤。
そこを基盤にして鉄柱を立てて、回りをコンクリートで固めるべく
型枠工事をしている様子が見て取れた。
札幌の凍結深度は60cmなので1mという深さには万一への備えも感じる。
いま見えている外側の木の部分が「型枠」を構成して
この全体にコンクリートを流し込むのではないかと思います。
鉄柱の地盤面近くに白い部分が見えますが、腹巻きのようですね(笑)。
想像では断熱材のような気もします。
60cmまでの地盤面で凍結した場合でも、鉄柱とは熱的に
「縁を切っておく」という仕掛けのような見え方。

長久な時をこの地で刻んでいく建築として
しっかりした工事が行われることを祈念しております。合掌。
1週間以上は札幌にいるので工事進捗、報告します(笑)。

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