きのうの続篇です。
北総研で取材の「寒冷地住宅停電状況」非常時での対応作戦。
お伝えしたように、クルマバッテリーからの宅内への給電についてまで
事前の取材内容を超えた内容でしたが、わたしのブログをご覧いただいてか、
ていねいに調査いただいてJAFの発表資料を示していただけました。
災害時対応でクルマ発電に注目というユーザーニーズは高まっているようで、
JAFでのこの「テスト」結果発表は2018年2月7日とされていました。
きわめて最新のデータとして示されている。イマドキ最前線のよう・・・。
普段まったく使用することがないだろう専用の「発電機」には、
停電対策としては、一般住宅・ユーザー的にはやはり実用性は高くなさそうで、
それよりも普段からその機能を有効に利用できるクルマが
災害時に安全保障装置になってくれることが、望ましいと思われます。
関連してですが、東日本大震災時に首都圏では灯油ポットストーブがバカ売れし、
その後、当然灯油販売が大きく伸びると業界は期待したのに
実際にはまったくといっていいほど売れなかったとされています。
「災害のその時だけ」という使用途のものは、保存したとしても肝心の時
本当に利用されるかどうか、難しいと思われます。
ちなみにたまたま今年4月に引っ越したので、今回の地震・ブラックアウトでは
東日本のときカミさんの実家からもらった「災害保存食」をついに食べた(笑)。
たまたま引っ越しで再発見しなければ、完全スルーだったでしょうね。
やはり災害対応は普段から使っているモノの緊急利用がベストでしょう。
で、JAFのテスト趣旨は以下の通り。
「電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が災害時の電源供給として
注目されている。駆動用の大容量バッテリーを積み、ACコンセントも装備するため、
家電を長時間使うことができると言われている。
そこで、ハイブリッド車(HV)や一般的な車を含め、
車のバッテリーで家電がどの程度使えるのかを検証した」ということ。
「テスト車は下写真の4台(左から電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、
ハイブリッド車(HV)、一般的なガソリン車とした。」
いまのところはEVはとくに寒冷地では霜取り運転時
過酷なほど走行距離ダウンがあるとされ、普及はイマイチでしょう。
冬道走行も考えると北海道では4WD・ガソリン車が多いことが容易に想像できる。
テストでは「EV、PHV、HVには1,500Wまでの電気製品が使えるACコンセントが
装備されているが、一般ガソリン車には大容量バッテリーとACコンセントが
装備されていないため、車のDC電源をAC電源に変換するインバーター
(定格出力1,000W)を、バッテリーに直接つないで(おお!、これこれ!)
写真の家電製品が使用できるのかを検証した」ということ。
で、結果ですが、1枚目の写真の通り。
なかなかに微妙な実験結果になっていました。
この普通のガソリン車はスズキのSWIFTというクルマで、1000-1400ccの
エンジン仕様で小型車に属するタイプでしょうね。
結果では100Wまでの家電品ではまったく問題なく動作している。
しかし、400Wと800Wの「電気ストーブ」では△印で
「使用できるが、短時間でバッテリー上がりの可能性アリ」とされていた。
ただ、この実験テストではクルマのエンジンはかけていない状態。
で、以下の図・写真はわが家の冷蔵庫の諸元データです。
こちらは180Wと表示されています。
この冷蔵庫に9.6の地震ブラックアウト時には同等クラス車両のフィットから
シガレットコンセント経由で試しに給電させてみたのです。
不安定ではあったけれど、まったく使えないということはなかった。
で、暖房の灯油ボイラー諸元データで必須電力は250W。微妙であります。
車種によってバッテリーの性能には違いがあり、その情報はメーカーに聞くしかない。
しかし想定外の利用方法でありメーカー責任云々もあると思うので
ありのままの情報を得られるとも思われませんね。
あくまで自己責任の範囲内で「実証実験」してみるしかなさそうです。
また車載バッテリーそのものをより大容量のモノに変えるというのも、
作戦としてはあり得るところでしょう。
この場合は、その単体バッテリーの性能は可視化されている。
こうしたバッテリーは比較的廉価で販売もされている。こういう調査も必要ですね。
というような「電気の安全保障作戦」現在状況であります。
本日からは、しかし東北地域への出張であります。
調査活動は継続して行いますが、進展は20日以降になると思います。
Posted on 10月 14th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 日本社会・文化研究
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