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【米中貿易戦争というトランプ砲の行方】

トランプさんという大統領は、鋭く評価が分かれている。
大統領選挙中から就任当座、アメリカの既成メディアのバッシングが激しかった。
その様子を拡大して意図的に戯画化して日欧のマスコミも報じた。
既成の報道エスタブリッシュメントには、許しがたい暴君に映っていたのでしょう。
しかしここにきて、対中国封じ込め政策とも言えるかれの一手が
きわめて戦略的に貫徹してきているように思われる。
中国という存在があからさまに「強国」路線に邁進し、
資本主義の世界体制の中で反則をし放題にしながら、
世界最強国に成り上がろうとする野心を隠さなくなってきたことに、
「アメリカファースト」というわかりやすいメッセージで戦略的な対決をしてきた。

アメリカによる米中貿易戦争の仕掛けは、いま現在のところ、
アメリカ社会でのトランプへの信認の高まりと
国を挙げてのムードとしての中国叩きの加速が報じられてきている。
一方での中国側での打つ手なし状態、習近平路線への
中国共産党内での権力闘争の発生の兆候など、
総じて戦略的には、トランプ・アメリカの側が優勢な状況になってきている。
このままの流れで行けば、国家社会主義中国の経済的発展以降の
資本主義国際社会の「変容」に対する英米を起点とした反発、
イギリスのブレグジット・EU脱退、ヨーロッパでの反グローバリズムのうねり、
大量の難民の欧州への洪水現象、テロの危険姓の高まり、
トランプ現象として結果しているアメリカ社会の大変化、
安倍政権への単なるヘイト化の日本の既存メディア・野党勢力の劣化など、
どうもこれらは一本の傾向になってくるように思われます。
トランプの動きを見ていると、中国がだませるような戦後の世界体制の枠組み総体を、
アメリカファーストで改変しようと狙っているように思える。
中間選挙もあるけれど、なんといってもトランプには
少なくとも3年の在任期間という国際政治的資産がある。

当面は、習近平による「新常態」路線からの事実上離脱を決定し、
金融緩和と元安誘導へと舵を切りつつある中国の経済状況がどうなるか、
それをにらみながら、トランプアメリカがどのように対応していくのか。
アメリカが習近平路線に対しては徹底的に宣戦布告状態であるのに対して
中国側が路線の目くらまし変化のような手でしのぎ、
それでトランプ側が容認するのか、といった段階になっていく可能性が高い。
こういう世界情勢の中で、国益を日本はどう実現していくのか、
いずれにせよ、日本社会というコップの中だけの論理では
政権選択出来ないような、厳しい現実が世界的に高まっているのではないか。

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