きのうから東京出張であります。
この週末に向けては各種の動きがあり、住宅メディアとしては、
今後の情報収集のために出動という次第です。
ただ、やはり北海道東北が基盤のメディアなので、どうしても首都圏での動きは
断片的なカタチにならざるを得ないうらみはあります。
旧知の福岡・熊本のビルダー・エコワークスの小山貴史さんが
代表理事を務められる一般社団法人の設立発表会であります。
ZEHについてはわたしもこのブログなどでときどき発言して、それに対して
小山さんからいろいろな反応を寄せられたりしている経緯もあって、
今回のお知らせも、小山さんからのご案内も受けて伺わせていただきました。
住宅関係の専門的メディアの記者さんたち向けの発表と言うことで、
活発な質問なども聞くことが出来て、いろいろ参考になりました。
また、顧問として、秋元孝之芝浦工大教授、
植田譲東京理科大学教授、田辺新一早稲田大学教授の
お三方も挨拶され、その後面識を得ることもできました。
わたしとしては、地域としての寒冷地・北海道東北のメディアとしての立場から
末尾近くに質問として、若干の問題提起をさせていただきました。
昨年のZEH住宅棟数実績できわめて明瞭になった、寒冷地ー温暖地地域間での
「ZEH達成コスト」の格差解消方法について、
この協議会で大いに論議を盛り上げていただきたいと意見を述べた次第。
地域間で「省エネ基準」に大きな違いがある中で、
温暖地に於いては105mm構造材を使えば当然そこに100mmの
断熱材を充填するのにはそう技術的困難、コストアップ要因は少ない。
しかし寒冷地では現行省エネ基準相当を超えてさらに性能向上させるためには、
当然のように壁充填断熱のさらに外側に付加断熱を倍加させなければならない。
ZEHの施策が温暖地域での断熱向上、それへの作り手の気付きのきっかけに
機能していることには、まことに賛同の思いを持つものですが、
しかし、国の施策として取り組まれている以上、
昨年の実績に於いて明瞭に現れたこの「地域コスト格差」の問題解決は
喫緊の課題ではないかと思われるのです。
税の公平性という観点からもこのことは大きな問題ではないかと思います。
「ZEHには寒冷地の作り手は熱心ではない」というそういう問題ではない。
また、WEBプログラムの設計に則っていけば、
暖房居室を小さくすればするほど、数値的には有利になるという問題点。
寒冷地が気候格差を乗り越えるべくせっかく「全室暖房」を
多年にわたって努力して標準的工法として築き上げてきたのに、
国の制度としてふたたび「部分間歇暖房」の方が「有利」だとする方向に
国の施策が向かったことについても、これを改善・再検討する必要がある。
ことは温熱環境の問題だけでなく、室内の「視線の抜け」というような
日本人の生活デザイン志向性に対しても、逆行する施策になっている気がする。
もちろん、国の施策としてのエネルギー削減努力には大いに賛同しますが、
同時にこうした「不条理」についても、改善の論議を起こすべきだと思います。
幸いにして、こうしたことについて、
小山さんは思いを同じくされていると思いますし、
発表会後、今後の論議の主体になられる顧問の先生たちとの意見交換でも
基本方向については理解していただけたように思います。
現実を前に進める活動になることを大いに期待したいと思います。
Posted on 6月 23rd, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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