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【高齢化のメリットとは? 定年と勤労意欲】

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わたしよく考えるのですが、
日本って、こんなに医療を発展させたのに、
そのメリットについて一体どう考えてきたのでしょうか?
国を挙げて世界に冠たる健康保険制度を作り、社会的生産性も高め、
いわば「生きやすい」国、制度を作ってきたのに、
どうもただひとつだけ、「その目的」について、
きちんとしたコンセンサスを作ってきていない。
長く生きることは、一般的には素晴らしいと思われるけれど、
その永らえた命を「どう使ったらいいのか」については、
あんまり深い社会的論議がなかったんではないか。
そんなことを考えていて、ふと目にしたのがこのデータであります。
内閣府が2013年に調査したものだそうで、
調査対象は全国の60歳以上の高齢者男女で、質問は
「あなたは何才頃まで仕事をしたいですか? 年代で選択してください}
というものであります。
で、一位が「働けるうちはいつまでも」というもので、近接して
「70歳くらいまで」というのが続いている。
まぁ、「働けるうちはいつまでも」というのには、どんな意味があるか、
といった深読みも必要でしょうが、常識的には
きわめて健康的な考え方と思われた次第であります。

そもそも、人間は生まれて成長し、教育を受けて
生きるため、社会のために働きたいと思って仕事・職業を選択する。
なんどか、その選択をチェンジすることもあるけれど、
やがて落ち着いてじっくりと職業的専門領域を選び、生涯の仕事とする。
そういう意味では多かれ少なかれ「生きる意味」なるものを
職業選択というかたちで、明確に「人生の意味」として明確化している。
人間は、だれかのためになることが一番のシアワセ。
そういう「哲学的テーマ」も、ひとは仕事を通して解決していると思う。
そういったひとの生きるシアワセにとって、
医療というのは、マルクスが言うように「労働力商品の再生産工場」。
目的はあくまでも、「働ける」ということに最大目的があるように思う。
このデータ指標を見ていて、いまの社会と人間のズレは、
こういう素朴な声がきちんと反映されていないことにあるのではと、
そんな思いがしておりました。

さて、そんなことを考えていたら、
そろそろプロ野球ではシーズン後の動きも垣間見えてきた。
先日、わが北海道日本ハムファイターズの「育成戦略」に触れましたが、
金満チームはFAに触手を伸ばしている様子。
【札束攻勢の巨人阪神と大違い 日ハム「主力売ります」戦略
〜日刊ゲンダイDIGITAL】という記事。
日ハムは冷徹なコスパ把握で総コスト圧縮を生き残り戦略としていますが、
巨人・阪神はとにかく目先に目を奪われている、という報道。
なにやら、労働の意味・価値感とも似通った部分を感じていました。
企業生き残りと働く環境整備の戦略、なかなか奥が深いものがある・・・。

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