写真はわが家の様子であります。
最近は北海道でもすっかり木造住宅ばかりになってきたのですが、
北海道では、地域で採取される火山灰を固めたブロックで
家を建てるという地域オリジナルの建築工法があります。
本州では安藤忠雄さんがコンクリートの打ち放しで住宅を建てていた頃に、
北海道ではコンクリートブロックでの家づくりが盛んだった。
地域にふさわしい住宅を考えていく中で、
北海道庁も推奨する工法として、一時期は三角屋根のブロック住宅が
たくさん建てられていた時期があるのです。
寒冷条件をなんとかクリアして頑丈な家というものだったのです。
北海道の公営住宅ではこの建て方が標準的な建て方として
住宅金融公庫での借入も、これが推奨されていた。
しかし、この三角屋根ブロック住宅は、断熱を内側でしていたので、
室内の生活湿度が結露被害を生んで、やがて減少していった。
その改良工法として、ブロックの外側で断熱する、外断熱工法が開発され
そのブロックの「蓄熱性」も活かせる理想的な家として
建築家グループを中心にして、活発に建てられた。
北海道での住宅断熱の技術基盤を探求された荒谷先生や、鎌田紀彦先生なども
自邸としてブロック外断熱の家を建てられていた。
ある意味で、北海道での家づくりでの標準を目指した動きであったのです。
わたしも、1991年に建築家に依頼して
いま住んでいるわが家をこの工法で建築したのです。
冬暖かく、夏は涼しい環境が得られていて、
またデザインとしても、荒々しい素材が素地表しで正直な表情を見せていて
色合いの自然さと相まって、いい空間を作っている。
しかし一般のみなさんには、やはり個性的すぎる建て方と思われたのか、
その後現在では建築はあまりされていないように思われます。
残念だなぁと思っているのですが、
構造はそれこそがっしりとしているので、
現代的に断熱レベルを上げようと思えば、外側から断熱強化が可能。
地域が創り出したオリジナリティに富んだ建築であり、
本州地域に対して、北海道がそのデザイン面も含めて
地域のプライドとしても訴求できる建築スタイルだといえるでしょう。
個人的にはぜひ「世界遺産」的な住宅建築工法として、
大いに永く市場に受け入れられて欲しいものだと思っています。
Posted on 1月 28th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅性能・設備
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