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散歩道の晩秋

1897

小学校の時に、秋の遠足があって
そのときに感じたことで絵を描きなさいという授業があった。
なんてステキな授業なんだ、と感動して
色鮮やかな紅葉の山々を「感じた」ままに描いた。
気持ちよかった。
そうしたら、先生からエラく褒められて、気恥ずかしかったけれどうれしかった。
やっぱり人間という、地球が生み出した生命は
地球が持っている美しさに畏敬するしかないのでしょう。
北海道というのは、日本のなかでも
いちばん四季変化が明瞭な地域だということですが、
地球サイズで見ても、北半球有数の地域なのだそうで、
四季折々、まことに豊かな色彩がこの自然環境からもたらされる。
刻一刻と変化を見せる秋の色彩の移ろいは
その極致のような美しさをひとの感受性に叩き込んでいきますね。
この季節の後には、白と黒茶のグラデーションの世界がやってくる。
そんな季節の美を楽しめれば、
あんまり他の欲はなくてもいいんじゃないか(笑)、
とも思えますが、まぁ人間、食べていかなければならないし、
しょがないですね。

写真はきのう、散歩道で朝日を真正面に受けた近隣の山。
かたちのまんまで「三角山」といいます。
なんともその命名の単純さにあきれるのですが、
隣には「円山」というのもあるので、
まことにわかりやすい(笑)。
これに「四角」があれば万事うまくいって、大変いいのですが・・・、
日本民族新開地の北海道には、こういうストレートさがある。
朝日を浴びて、全山が萌えている。
この山の光景がもう数日の命で、葉が落ちて
色が消えてしまう世界になるのです。
散歩道では、リスたちの動きが普段にも増して活発。
冬を前に越冬用の食糧確保に余念がない様子です。
さっぱり、被写体になってくれそうなノンビリした連中はいません。
そういう光景もまた、自然の摂理を教えてくれています。
冬に向かってすべてがまっしぐらの北海道であります。

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