安倍さんの政権の安定性が際だっているように思います。
日本の戦後政治で2度目の政権担当というのは珍しく、
一度失敗した人の強さというのが、目立っていると思う。
そういえば財務大臣も、一度総理で失敗した麻生さんが就任しているし、
なにより女房役の官房長官の菅さんが地味に目を利かせているので
政権の主要な部分での脇が固いと思う。
中韓両国が安倍政権に強硬な姿勢を見せているのは
この政権がかなり手強いと見ているからかも知れない。
これまでの日本の政権のように、強腰に出ればなびく、というスタンスを取らない
そういった政権であると見切っているのだと思う。
そもそも尖閣の問題がここまでになったのは、
安倍政権のアナウンス効果もあったに違いないと思われる。
日本版のNSC国家安全保障会議の設置に、この尖閣問題を利用して
付随する秘密保持法も、中韓両国との緊張関係をテコに
大きな反対もなく、押し通してきている。
しかし、本当にこの状況でいいのだろうか。
政権はつねに緊張感を持って政策に取り組んでいく必要があるけれど
いまの状況では、対立軸になる反対勢力が見当たらない。
経済運営という基本中の基本に置いて、
消費税増税という難事をクリアして、なお波風がないというのは異常だ。
本来の対立軸政党であるべき民主党がまったく方向性が見いだせず、
志向性停止に陥っていることが大きい。
見方によっては、戦後すぐの社会党政権の後、
ずっと続いた自民党政権のように、長期にわたってこの政権が続く可能性がある。
安倍政権には、副総理として麻生さんが居て、
さらに党には石破さんが控えているというバランスになっていて
佐藤栄作さんの長期政権に似た構図を備えている。
さらに旧体制メディアである新聞社による情報操作もうまく利用しつつ
同時にインターネットメディアへの取り組みも図っている。
ちょっとスキがないという感じがしている。
まぁ対抗しうるとすれば、またふたたび小沢一郎の仕掛けくらいだろうけれど、
記者クラブ体制、旧体制メディアから集中砲火を浴びている
かれの仕掛けでは、なかなか動きにはなっていかないのではないか。
官僚機構にとっても、念願の消費増税をこれだけソフトランディングさせられたので、
中枢である財務省も当面は、文句が出ないだろう。
はじめに書いたように
やはり一度失敗した人間は、賢く、強くなるということだろう。
こうした権力側に対してどう緊張関係を作っていくことが出来るのか、
野党の側の政治的想像力が、強く求められるところ。
さて、こうした状況は国民にとってどうであるのか、
そういった視点で見ていかなければなりませんね。
Posted on 4月 30th, 2014 by 三木 奎吾
Filed under: 状況・政治への発言
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