先日の日曜日、カミさんの母親に頼まれて
旭川にある古い賃貸住宅を見に行きたい、という願いを叶えてきました。
まぁ、こういった類のことはが嫌いでないことは
このブログの読者のみなさんはご存知でしょうか(笑)。
カーナビはまことに便利で、
目的の家はすぐに発見できました。
母親の年齢を考慮すると、この建物は少なくとも畜80年は超えている。
たぶん、100年も越えているのではないかということ。
徐々に、この写真の左側に向かって沈下を見せている。
基礎は礎石なので、それが徐々に不同沈下して、
地面に落ちていって、建物に傾斜をもたらしているのだろうと思われる。
そもそも賃貸用の建築物で、
とくに立派な建物というわけではないのだろうから、
まぁ一般的な造作であったことは明瞭だと思われます。
この建物を使って、床屋さんを営んでいたそうです。
建物の一部、1階右端には別の間借り人がいたそうで、
コメの配給施設として利用されていたという記憶。
今、こうしてみてみると
よくこういった家で住んでいたものだと思われますが、
しかし、寒冷地でもこのような住まい方が一般的だった。
冬の朝になれば、布団から出ている顔だけが寒さでこわばっていて、
かなり強烈な意志力を持って布団を跳ねあげて起き上がっていた。
そしてすぐに居間のストーブに着火して
とにかくも暖を取らなければならなかった。
「断熱」という概念そのものがなかったのですね。
しかし、それにしても
こういう建物、それも賃貸用物件が今日まで存在しているというのも
社会的に見て、非常に面白い現象だと思います。
朽ちるがまま、そのまま「現状有姿」が、まだしばらくは続くのか。
人間だけではなく、建築・建物もそのまま、高齢化していくのか?
活発な設備投資ではなく、
むしろゆったりと朽ちていくような方向に、
社会は向かっていくのでしょうか。
そんなような、印象を受けながらその滅びの様を見ていました。
Posted on 4月 18th, 2013 by 三木 奎吾
Filed under: 古民家シリーズ
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