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生き物の環境性能を考える

さて、2日のセミナーでは
北海道建築工房の小室さんや建材事業者さんの発表の後、
札幌市立大学の斉藤雅也先生と
東京都市大学の宿谷昌則先生による講演が行われました。
斉藤先生は、宿谷先生のお弟子さんということを
このときに初めて知りました。
宿谷先生のお話は、これで3度目くらいなので、
大体のあらすじは分かっているのですが、肝心のエクセルギーのところが
概念としてはなんとなく分かるのですが、
どうも明瞭には把握できない。
わたしだけが勉強が足りなくて理解できないのかと思っていたら
主催の小室さんも同じように「わからない」と言っていました(笑)。
正直な人は(笑)、なかなかわからないのか。
なんですが、総体としては非常に理解できる。
なにやら不思議な理解の仕方ですが、まぁそういう感じであります。
一方の斉藤先生のお話は、札幌市の動物園の活性化のために
私立大学の先生たちに課題が与えられ、
先生はオランウータンの活性化を担当されたそうです。
で、オランウータン獣舎の温熱環境の改善に取り組まれたそうです。
「本人に様子を取材するのが一番なんですが、聞けない・・・」
という話で笑いをとったあと、
緑化と断熱、ホットポイントとクールポイントの設定などを
環境設計した様子をお聞かせいただきました。
エクセルギーの実践として、たいへんわかりやすかった(笑)。
どうもエクセルギーって、微気候とか、
エネルギーの変位のようなことでここちよさに迫っていく手法開発のようです。
オランウータンは、全体として熱帯の環境を再現する必要があるけれど
これまでは、空気環境、温度や湿度程度の環境解析しかなくて
それで事足れりとしていたのに対して
そうではなく、いろいろ複合的な環境設計が不可欠なのだ
ということを表していると思われるのです。
結果としてオランウータンは、
元気いっぱいに園舎の中を移動しまくっていて
まことに大らかな大自然の勇者としての姿を札幌で再現している。
住宅の環境設計においても、たいへん多くの示唆に富んでいると
実感させられた次第であります。

さて、本日より日程どおり健康状態も復活。
無理せず、頑張っていきたいと思います。

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