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ジャズのある豊かな時間

昨晩は、アメリカから帰ってきていて
あちこちでライブをこなしているジャズマンの笹島明夫くんを聴きに行きました。
で、会場は、これも高校の先輩に当たる建築家・豊島守さんのオフィスビル最上階の
ライブスポット・KENNY BURREL。
顔を出してみると、これも懐かしい人たちばかり。
また、初対面の人とも簡単に親しくなれる雰囲気。
出掛ける寸前になって、ちょっとしたトラブルがあり、
会場に滑り込んだのは、スタートの直前だったので、
親しい友人たちとはあんまり会話を楽しめなかったのですが、
まぁ、かれらとは、いっしょにいるだけでも
いろいろなコミュニケーションになっているので、目線でも会話できる。

笹島君のお母さんは最近90歳になって、
介護付きの施設に移られたのだとか。
そのような話題を耳にするケースがあちこちで散見されます。
私たち自身も還暦を迎え、
親の年代も当然ながら、元気であればそういった状況になってくる。
高齢化時代というのは、
でも、元気な中高年、という存在も大量に生み出している。
笹島君の演奏は、相変わらずエネルギッシュで、
ときに繊細に、ときにパワフルに、
ギターって、こういう音色も出せるのかと驚くような
いろんな表現の階調を響きだしてくれていました。
でも、よく聞いていたら、口からまるで打楽器のような音も発していて、
「おい、笹島、最近打楽器も始めたんだ(笑)」であります。
ジャズって、その演奏者たちの個性が感じられてくるモノですが、
きのうは、パワフルなピアノの板谷さん、
叙情的で、抑揚の効いたベースの重松さんとカラフルな色模様。
なかでもドラムスの館山さんは、
本当にバラエティ豊かな音をさまざまに聴かせてくれていました。
気がつくと途中では、スティックをさまざまに替えていって
繊細なリズムから、乾いたリズム、重厚なリズムと多彩な音空間を作っていく。
終いには、アフリカンな音色が響いてきたな、と思ったら
なんと、手で直接ドラムスを叩き始めている。
それも指を立てて強く叩いたり、指をまとめてやわらかく叩いたりと
音の豊かなグラデーションが万華鏡のように響き渡ってくる。
そんな豊かな音の時間空間が、肌にここちよい気温の札幌らしい夏の夜を
彩ってくれておりました。

会場提供者の豊島さんは、きのう東京出張で
終わり近くの閉演1時間前くらいに懐かしい顔を見せてくれておりました。
ちょっとしたインスピレーションもあったので
あるご案内も差し上げたところ、すぐに乗ってもいただけた。
まさにジャズって、コミュニケーションが一気に進むチャンスを作ってくれる。
それ自体がコミュニケーション的な音楽であり、
同時にそういった雰囲気を提供してくれるものなのだと思わされた一夜。
わたしは本日早朝から出張が入っているので、
直来の時間が始まっていて楽しげな雰囲気に後ろ髪引かれながら、
カミさんに迎えに来て貰って帰って参りました次第。
あぁ、楽しかった。ありがとう、笹島君。

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