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宗教の雰囲気

きのうからのシリーズ(笑)であります。
ことし巡り歩いたなかでも、かなり衝撃的だったのが
兵庫県の「英賀」神社の見学でした。
かなり古格な神社で、式内社にも名前が出ているという神社です。
たぶん、ヤマト朝廷による神社統合以前から存在していたと思われるのですが、
まぁ、あんまり調べていないので、想像ですが・・・。
っていうのは、民衆とこの神社との距離感が
非常に近接して感じられて、どうも明治神宮なんかと比べると
まったく違う系統に属すると確信させられたワケなんです。

写真のような奉納板絵が飾られているのですが、
描かれている題材はまったく渾然一体という感じでして、
演劇の中のよくあるシーン、たとえば忠臣蔵であるとか
戦前の軍崇拝調のものであるとか、
ヘタをすれば、特定の役者の似顔絵まで出てきそうな
そういう猥雑さにあふれている。
非常に「大衆」「百姓」をビビッドに感じさせられるのです。
NHK教育放送ばかりやっている神社本庁にたいして、
それこそAKB48ばっかりやっている金儲け民間放送っていうような対比を感じる。
こういうタイプの神社、そして宗教っていうのもあるんだと
深く頓悟させられたんですね。

どうもこの神社、由来は古く、
ヘタをすると違う系統の神さま、出雲の神さまの支店のような
そういう気もしてきます。
出雲の神さまって、ヤマト朝廷の神さまと
仲良くした別の神さまであって、
その神さまを奉る人間集団は、
ヤマト的集団とは少し違う文化を持っていたのではないか。
そんな想像力の沸き立ちを抑えがたい(笑)。
戦国期にはこの神社周辺は
一向宗本願寺の一大勢力地帯になって、
大阪本願寺への食料配送最前線であったようなのですね。
この地の支配者層も、積極的にそうした宗教的立場を明示していたようです。
歴史的にも、民衆性が強く残ったといえる。
民衆を押さえつけるような神さまではなく、
民衆に対して政治対話集会を恒常的に開かせるような
そういう公的空間を提供してきた、
そういった神さまとしての伝統を感じるわけであります。

この妄想、やや抑えがたくなっています。

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