総会を前にした現場視察では
建築後11年めの住宅の壁体内検証が行われました。
以前このブログで触れた青森県十和田市での検証以来、
各地でこういった検証が行われているそうです。
ふつう、自分たちが行った建物のその後を解体してみて
本当にきちんと施工していたか、どうかを
検証してみようというのは、すごい勇気のいることだと思います。
もし万が一、いろいろな欠陥が出てきた場合、
正面からそのことと向き合わなければならない結果になります。
そう考えただけでも、勇気のある姿勢だと感心しました。
こういう検証を進んでやってみようというビルダーは
大きな勇気と自信を得ることができるでしょうね。
写真のような様子で点検してみました。
外壁には、北海道では凍害の影響でほとんど使われないALC板が張られています。
このメーカーさんは賢明に北海道から早々に撤退しています。
確認してみると、2カ所で軽微なGWの黒ずみが発見できました。
これはその周囲を空気が流動した結果、ごみが付着するもの。
壁の中のGWは空気流動のない静止した空気を保持するのがベスト。
検証の結果、おもにコンセントボックス下部から空気流動があったと推定されました。
このコンセントボックスは、気密用のものを採用していますが
やはり電気配線の部分でやや気密が落ちた部分があったことを表しています。
しかし、これは漏れた空気量などを考えてみれば
全体としての住宅性能に影響があるというレベルではありませんでした。
むしろこのコンセントボックスのみに限定されていたということで
全体としての施工レベルの高さが実証できました。
新住協のポリシーとして、住宅性能を科学する、というフレーズがありますが
まさにそのことが実感できるのは、こういう事例をさっそく俎上に上げて
みんなで議論して、すぐに対処法を見いだすという点。
実践的な住宅研究者としての室蘭工大・鎌田教授と、
いい家を造りたい、という意欲と研究熱心な全国のビルダーの姿勢が
こういう熱気を作り出していると言えるでしょう。
都合の悪いことは触れずにこっそりと、と考えるのが多い住宅業界の中で
希有な姿勢を堅持している運動体といえます。
まぁ、だから20年近くになろうという活動が
今でも拡大し続け、活発に展開しているゆえんなのでしょうね。
Posted on 5月 21st, 2006 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
こち編、総会の際はマシンのフォロー、ありがとうございました!
私もNPO「新住協」の会員です。
アクセス800/日ということで、かなり気を遣っている面はあると思いますが、的を射たうれしいコメントですね。
こんにちは、Tさん。総会ではお疲れさまでした。トラブル慌てましたよね。で、危機を救ってくれた先生持参のUSBメモリー、あれは結構スグレモノでしたね。この間も別のところである大学の先生が薦めていました。今度わたしも購入しようと考えています。このブログでメーカーとか使い勝手などお知らせしますから参考にして購入されることをお薦めします。ってまだ買ってないヤツから言われてもなんだかぁ、ってとこかな。