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大梁の表面仕上げ

写真は、小田原城の大門の梁です。
鋼問、という、いかにもごつい名前なんですね。
まぁ、わたしの興味は建築的なものが主体なので、
勢い、こういう架構の部分に目が行ってしまう次第であります。
まぁ、なんとも豪快な梁が亘っておりまして、
さすがに、大阪城以上の規模を誇っていたという小田原北条氏の居城にふさわしい。
奈良期には、巨大木造建築がこれでもか、と造営されるのに対して
平安朝のころには、大型木造はそれほど目立つことがなくなる。
それって、大断面の木材がそれほど獲れなくなってしまった結果だ、
というように言われることが多い。
それが、再び戦国の頃になると、
安土城とか、大阪城とかが造営されるようになる。
日本は木の国であると思うのですが、
それにしても、森林や構造用の大断面材は時間が掛かるのだと思いますね。
よく、日本は資源小国で、といいますが、
水と木、という資源においては、世界が羨んでやまない国だと思います。
ヒマラヤが湿度の高い偏西風を日本にもたらし、
切っても切っても森林に元気がある国なのだと思います。
木の文化が栄えたというか、大型木造文化は、
最終的に日本が世界に誇る最大の文化なのではないかと思います。
それなのに、日本の建築学の分野で
木造の研究が十分に行われていないというのは、残念です。

っていうことなのですが、
目を奪われたのは、梁表面のきれいな「ちょうな」仕上げの様子。
表面に、「うろこ」のようなデザインが浮き上がってきています。
一定間隔で、大きさには厳密には違いがあるでしょうが
規則的で、美しい文様になっている。
職人さんたちの美意識の発露なのか、
それとも設計者からの注文であったのか、
それも年代はいつのころのことなのか、
再建時のものなのか、創建時ころからの残滓なのか、
調べてはいないのですが、まことにみごとな手業の表現です。
なんとも奥行きがあって、素晴らしいですね。

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