東北をビジネスで歩きまわっているので、
定点的な宿泊場所はとくには決まらない。
で、ビジネスホテルをWEB検索しながらクルマでのビジネス旅。
こういうイージーライダー(古!)的な過ごし方、好みでもありますが、
たまには少し、オモシロい建築にもめぐり会いたい。
ということでめぐり会ったのがきょう宿泊した紫波町オガールイン。
前日に盛岡のある方とビジネスで打ち合わせていたら
「きょうはどちらにお泊まりですか?」と聞かれて
「えっと、前にタウンを見学した紫波町オガールインです」
と答えたら「え、なんでまた、あんなところに・・・」(笑)。
まぁ盛岡の街の人にしてみたら、信じがたい選択だったようです。
しかし、このオガールタウンは数年前の建築当時、
エコロジー志向のその作られようを見学していて、
そこに宿泊施設ができたと聞いていたので興味を持っていた。
とくに調べてもいなかったのですが、なんとなく
設計は面識のあるみかんぐみの竹内昌義さんではないかと想像していた。
Replanでは数軒、その設計建築を取材しているのですが、
わたし自身ははじめて見てみる設計事例でしたので、興味を持っていた。
で、ホテルの方に確認したら「あ、そうそう、そうです(笑)」という返答。
この答え方のさりげなさがなかなかツボに来た(笑)。
<この部分、詳細情報です。建築家の丸田絢子さんからご指摘があり、
この建物の対面のオガールセンターは竹内昌義さんの設計ですが、
こちらのホテルが入ったオガールベースは氏の弟子スジにあたるという
らいおん・木村設計共同企業体による設計ということでした。
訂正してお詫び申し上げます。丸田絢子さんありがとうございました。>
雰囲気は写真を見ていただく通りであります。
わたし自身としては、非日常的なワクワク感が感じられて楽しい。
コスパに正直に徹していながら、配管をオブジェデザインに使っている。
配管業者の方、普段は床壁天井に仕舞い込まれるものを
こんなに主役扱いさせられて、さぞ緊張したのではと(笑)。
こういう露出作戦で天井高さは3mを超えている感じです。
ちょっとWEBで見てみたら、構造はRC壁式構造のようです。
WEBにあった氏の設計趣旨(オガールセンター)は以下の通り。
「オガールプロジェクトの一環として、公民連携という手法によって
出来上がったこの建物の設計は、紫波での暮らしを豊かにするという
コンセプトで選ばれたテナントとその必要面積の表からスタートした。
(中略)作りたいプログラムとその家賃から建築全体の面積を割り出した。
求められた防災性をRC壁式構造のメインボリュームで満たしつつ、
木造のアーケード部分とその縦長窓の反復が広場への表情ともなり、
オガールプラザからオガール保育園への連続性を確保できた。
高断熱気密性能や Low-Eペアガラス樹脂サッシなどにより
サステナビリティを考慮しながら、効果的に開口を取ることで、
抜けのある空間を実現している。外観はオガールプラザやオガールベースの
デザイン要素を繰り返しながら、エリアとしてまとめつつ、
インテリアはコンクリート打ち放しでまとめた。」とのこと。
宿泊してみての印象としては「縦長窓の反復」の窓からの
冷輻射がやや気になったところ。天井高さをたっぷり取った結果でもある。
そのためにLow-Eペアガラス樹脂サッシとはいえ、
タテ方向で1.8mほどの高さがあって、この時期の外気温でも
冷輻射が机の上周辺に落ちてきていた。まぁ体感ですが・・・。
しかしまだ慣れていないウブウブしさの感じられるホテルの方に聞くと
「いまのところ回転率は80%を超えています。
ビジネスホテルは70%を超えたら成功と言われているので」
というまことにうれしそうで正直なお答えが聞けました(笑)。
この盛況ぶりが、いっときの「物珍しさ」によるものかどうか、
「産直直営バイキング~充実した手作り朝食~」がウリとのことなので、
それなりにリピーターの安定的な支持が得られているものかも知れません。
朝食はまぁそれなりでした。手作り感はあるけれど野菜などは
イマイチ地元感、伝わり方が弱いかも。っていうかわからない。
Posted on 11月 16th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅取材&ウラ話
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