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地方都市中心街の現状

日本はどんな地域でもそうですが、
アメリカナイズされた車社会的な変化が著しく、
地方都市中心部の「空洞化」が、一様に進行しています。
この問題って、たぶん、輸出産業としての自動車産業支援であり、
そのための過重な社会基盤整備〜道路整備という
戦後一貫した社会背景が大きいのではないかと思います。
それまでの「都市計画」が公共交通機関、汽車ネットワークを
基盤としてきたのに対して、道路と自動車というように
大きく舵を切ってきたことが大きかったと思います。
ただし、こういう都市計画的な、
あるいは国家運輸体系についての根本的変更は
必ずしも意図的だったとも言えないでしょう。
本来的に言えば、意図的でもないのにズルズルとこういう価値変換を
野放図に行ってきた不作為の作為は問題化されるべきだと思います。
そう簡単に移動できない建築の側は、
そういう「ルール変更」には容易には対応できない。
地方都市中心街のシャッター街化には、こういう基本問題が潜んでいる。

で、そういう地方都市中心街区で
どんな事態が今後考えられるのかについて、
写真のようなことが起こりうるなぁと、危惧しています。
これは北海道空知地方のある地方都市なのですが、
真ん中の建物は、あきらかに倒壊に向かっていると思われます。
垂直を維持していないことは目に明らか。
原因は明確にはわかりませんが、基礎自体が不同沈下しているか、
土台が腐食してきているのか、
どちらにせよ、いずれ、左側に向かって倒壊する趨勢だと思います。
そうすると、隣家との間隔も狭いのでそちらにも被害が及ぶ。
どうも見た限りでは、どちらの建物も利用されていないようですが、
もしこの状態が進行したら、どんな社会的な問題が起こってくるか、
建築としては単純な倒壊現象ですが、
この建物の所有者は、隣家所有者から訴追されるかも知れませんね。
それ以前に、行政的な罰則が発生するかも知れない。
そうした恐れは、こういう状態であれば明らかに察知できるはずなのに
対処していないということは、所有者の特定も困難なのかも知れない。
まぁ、いろいろな事態が想定できてくるのです。
ちょっと恐ろしいなぁと思いつつ、
しかしこういう現実は至る所で進行しているとも思えるのですね。
暗澹たる思いをさせられた次第であります。

北のくらしデザインセンター
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