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木組みの構造

日本の木造工法は、いわゆる在来工法といわれますが、
現在は、鉄筋配筋されたコンクリート布基礎の上に
防腐土台を据え付け、それを基礎と緊結させています。
そして、柱と梁で構造を組み上げていって、
地震などへの耐久性を高めるのに「筋交い」を軸間にX状に入れるか、
もしくはツーバイフォーのように構造用合板面材を張り付けるなどします。
こういう工法とは別に、「伝統木工法」と呼ばれる建て方があって
「石場立て」と言われる工法では、
基礎として置かれた石に直接垂直に柱を立てていきます。
それらの垂直材に「貫」という水平材を掛けていって
構造を作っていく建て方もあるワケです。
その場合には、土台もないわけです。
おととい見学してきた建物では、その折衷的な建て方をしておりました。
基礎と土台は緊結はされていません。
基礎は束基礎を立てて、そこに土台を渡していって、
柱は土台に組み込ませて立ち上がっています。
しかし、その柱に対して水平材の貫が渡されているのです。
この建物の大工さんが、そういう独特の工法を採用していたのか、
何らかの理由があったのでしょうか。
一定間隔に渡された貫は、
視覚的にも、バランスが良く配置されている感じがいたします。
柱は4寸材が使用されていて、いわゆる作事小屋がけとしては
しっかりとした建て方だと感じます。
貫と柱の緊結部分では、木材同士を組み合わせるように
嵌め込んでいるのですが、
それを補助するように楔状の補強材も使われていました。
本格的な木造建築では、本来は、
しっかりした填め込みの仕口を考えて造作するのでしょうが、
このあたりは、まぁ用途も考え、簡易な仕上げになっているのでしょうか。
柱と自然木の梁とを結合させる部分の仕口も工夫が感じられます。
現代では、こういう木工法はとくに北海道ではほとんど建てられない。
「石場立て」というような建物は
もし復元してくださいと言われても、どのように設計したらいいのか
どのように施工すべきなのか、
江戸期から残っているような建物でこういう工法のものは
たぶん、復元作業は大変難しいのだろうなぁと思います。

全体の骨組みを見るとバランスは取れていると思われます。
よく男性が家づくりで、こういう構造を見ているのが好きで
壁を作り、仕上げを始めたら興味が失せていくという話を聞きます(笑)。
骨組みの豪快さ、非日常性に比較して
仕上げの部分は大変日常的な部分なので、
だんだん女性的感性の部分に移っていくものなのでしょうね。
こういう「どう建っているのか」という興味分野、
見ていると、そういう感覚がよくわかるなぁと思いますね。

北のくらしデザインセンター
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